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私たち女性こそ大事な資源

ハワイから帰ってきて2日診療し、9月23日の早朝から青森の奥入瀬サミットに行ってきました。

奥入瀬サミットは、2012年に青森「県」が始めた女性活躍支援、女性の人材育成のためのイベントで、当初は3年間の予定で行われたのですが、私が3年目の講師として(地元出身の関連で)呼ばれた時、県知事に、「こういうイベントは、ぜひ長く続けていただきたい。来年もやってくださいよ!」とお願いしたところ、ノリのよい(私の出身高校の先輩で、昔から知り合いの)三村知事が、「よし、来年もやりましょう!」と受けてくれて、それが年々繰り返し、そのうち私が運営委員長を引き受け(頼まれてもいない押しかけ委員長です)、ここ数年のオンライン開催を経て、今は民間女性たちが企画し、デーリー東北という地元の新聞社が事務局を置いてくれ、県と、地元自治体と、協賛企業と、参加者がお金を出し合って運営するという、理想的な?官民協同事業になっています。

 今年、3年ぶりにリアル開催になった奥入瀬サミットのテーマは、この3年間同じ「リフレーミング〜マイナスからプラスへ〜」です。リフレーミングは心理学用語で、枠を外して別の枠でものごとを見なおすこと。私たちは、つい既存の枠でものごとを見ています。本当にそうなのか? 別の生きかたや考えかた、別の常識、別の時代から見直すと、今見えている風景は、これまでとは違う風景になるのではないか?これが、リフレーミングです。

 特に、青森県は、日本一貧しく、日本一寿命が短い県です。特に男性の寿命はダントツ短いです。逆に、女性経営者率は、日本一高い県です。どうして?

 私の解釈では、貧しくて食生活や健康管理がおざなり(カップラーメン日本一、塩分摂取が多い、喫煙率が高い、健康診断率が低い)、その結果、とうちゃんはがんや心筋梗塞、脳梗塞などで早く死ぬ。残されたかあちゃんや娘たちが、中小企業の社長のあとを継いで、従業員たちの面倒をみながら頑張る。

 としたら、貧しい、健康管理ができていない県民を、女性が中心になって働き全体の経済状態をよくすると共に、男性よりずっとヘルスリテラシーが高い女性が、夫や親や家族の健康教育や健康管理をしっかりとすれば、男性も長寿になり、みな長く幸せに生きていける。これが、私が奥入瀬サミットを仕掛ける理由です。

 地元の大学を卒業したが地元に残らず、「私は、女性の生涯健康と幸せを助ける医者になる!」と地元を飛び出して東京さ行った(東大産婦人科に入局した)私の、回り回ってようやく親や地元に恩返しする機会でもあるのです。

今年は、社会学者の大沢真知子さん(昨年、一昨年の上野千鶴子さんとともに私を日本学術会議のシンポジウム に呼んでくださった学者、日本女子大学名誉教授)、株式会社イブレスの山川景子さん(コロナ禍のなか上場したホテル事業会社の創業社長)、kimono beautyを世界に発信し日本の先端織物技術を世界に売りこむ村上裕子さん、の3名を中心に、「よりディープに」女性の生きかたや活躍に関してディスカッションを深めました。

女性ホルモンの話、50代以上で女性ホルモンをなくしてしまい、その後も50年も生きていく現代女性の私たちは、これまでと全く違う人生戦略を考えなくてはなりません。また、戦争やパンデミックや気候変動など、「ありえない事態」に直面しながら、最後まで尊厳のある人間として、地域や子供たちをどう助けていくのか、我々女性の真の力が試されています。

奥入瀬サミットの今年の結論は、「私たち女性こそ大事な資源。世界に誇れる宝」です。

自分の体、心、生き方という「宝」を、どう磨き、どう表していくかを、それぞれ一生考えて実践していきましょう!!

 「瑠璃も玻璃も磨けば光る。」これは、祖父が私につけてくれた名前、ルリ子の由来になった格言です。私も、唯一無二の自分自身を、まだまだどんどん磨いていくぞ〜!!

https://www.personalhealth.jp/

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女性の人生を応援する産婦人科医 対馬ルリ子
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