津島修嗣

オカルトパンクな小説を書いたりします。 ジャンルはいったりきたり色々。一応は公募勢。 よろしくいただければ幸いです。 https://kakuyomu.jp/users/QQQ

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最近の記事

【逆噴射小説大賞2024】セルフライナーノーツ的覚書き

ドーモ。 去年までは意固地になっており、おれが他人であればおれのクソつまらんライナーノーツなんか読まんわと思い、こういうのを書くことをしてこなかったのですが、今年はとことん楽しむことにしたので書きます!! なんという手のひら返し! まあいいや、では早速いきます。 まずは一本目。 「毒液の前兆 -portent of venom-」 ハードボイルドかつ残虐なパルプ、あとコズミックホラーみたいのがいいなー、なんか今異様にホラー流行ってるしなーという感じで軽い気持ちで用意したやつ

    • シュガーレイズドされた弾頭と獰猛な歌姫様のクソったれなリグマロール

       戻っている。  何度も漂白された記憶がシーツに染みついた破瓜のように辛うじて脳裏に張り付いている。  ならば思い出せ。  右手には拳銃、体は何故か血に塗れた札束の風呂に浸かっている。  腰から爪先までの感覚。在る。  さてーーそれならどうする?  五感を研ぎ澄ませ、気配を辿る。  蘇ったならまた一からだ。  私の記憶は五分しか持たない。  それから先を刻むことはどうしてもできない。そうなっている。  それだけは何番目かの私が必死に脳髄に刻み込んだ。  と、高く響く

      • 毒液の前兆 -portent of venom -

         随分長く殺しを専門にやってきたが、その日は唐突に訪れた。  大口のクライアントとして長年付き合いのあった男が何者かに薬殺されたのだ。  請負人の誰もが自分に足がつくことを恐れた。  それだけ多くの殺し屋を雇い、大勢を殺させてきた男だった。  現場は混沌としていたが、誰かがもたらした情報に不可解なモノが混じっていた。    〈男の死体の傍には無垢な卵が一つ添えられていた〉  § 「高度に進化した寄生者は寄主を殺さない」 「どうした。こんなときに家庭の悩みか。喩えと

        • 近況メモ:公募

          久しぶりのノート起動。 昨日駆け込みで突貫工事した小説を公募にぶち込んできました。 で、応募してから「これって激しくカテエラじゃね!?」と気づくという。 一応ジャンルは確認したけど、過去の受賞作とかみると全然ね……うん。 最近になってますますジャンルレスな作品を生み出しがちになってきているので、ちょっとそこらへんを意識して次回はなんかコレ!ってものを書こうと思います。 と忘備録として書き残しておく。

          黒犬No.06

           黄昏と夜とを別つように、丸みを帯びた有機体が西の空へ堕ちてゆく。  対龍迎撃専用飛空挺。  その格納庫に並んだ九つのケージから〈猟犬〉と呼ばれる対龍種強化型外骨格に身を包んだ一団が宙に放たれる。  エイリアンさながらのつるりとして鏡面めいた黒い頭部、棘の生えた獰猛な四肢。そして咒詛防御仕様の刻印済甲冑が全身を覆っている。    視界は良好、ノイズも許容範囲。  僕らは速やかに〈灰の坩堝〉を降下して此度の厄災の震源地ーー虚龍の巣へと近づいていく。  僕らに名前はないが識別

          ストロボライト

           荒野。排気で黒々と濁った空の下、カーラジオがレース開始のニュースを告げる。 『さて、紳士淑女の皆様。今日最後のレースはジミーナ村落vsサン・モン市街区! 番狂わせの大物喰いがみられるか、要チェックだ!』    雷鳴が轟き、雨が近いことを告げている。といっても一級市民以上の客は安全なテラスからレースを眺めるだけで、天候など関係がない。  一方、都市最下層ではレース前の最終調整が行われていた。   「おめーらみたいなクソ集落がおれらの街と勝負たぁいい度胸じゃねぇか!」 「うる

          ストロボライト