なめこゲームを今
なめこを収穫するゲームが流行ったのは今より10年以上前のことだろうか。
そのなめこのスマホゲームを大学2年生になった今楽しんでいる。
調べていると2011年くらいからあったらしい。
当時リリースされた正式名称は、
『おさわり探偵 なめこ栽培キット』である。
私は当時「なめこ」のかわいさに惚れ込んでいた。
ゲーム内で収穫される「なめこ」は、私と同じ世代の人なら誰しも一度は目にした愛くるしいルックスのキャラクターである。
このかわいさである。なめこはグッズを次々と展開していた。
私もぬいぐるみストラップのようなものを2つ持っていた。
ひとつはなめこ、もう一つはペンギンなめこのストラップだ。
お人形遊びのレギュラーメンバーだったことはよく覚えている。
こんなに好きだったのに、なめこのゲームはしていなかった。
両親は興味がなかったし、私も自分の携帯電話を持つ年齢ではなかった。
では、どこでなめこに出会ったのか。
図書室の先生がなめこのゲームをプレイしていたのだ。
当時25歳くらいであっただろう猫背の男性司書、彼の名はわだっち。
黙々となめこを収穫していたのを見ていた。
今思えば、それがなめことの出会いであった。
あれからなめこと一緒に小学校時代をしばらく過ごした。
それから10年。
つるちゃんは大学2年生になった。
自分の携帯電話もある。
遂に初めて自分の手で収穫したなめこ。
かわいらしいルックスはあの時のまま。
枯れなめこにならずに待っていてくれた。
なめこのゲームを始めて嬉しかったことがある。
なめこを通して同世代の人と会話が盛り上がるのだ。
「なめこ、抜いてもいいよ」
んふんふ、というなめこの声を聞きながら収穫する感覚を共有した。
その懐かしさと楽しさとあっけなさに皆少しだけ口角を上げる。
なめこを中心に笑顔が広がっていくのが楽しかった。
また、自分よりずっと上の世代にも好評である。
「ちょっと抜いてもいいですよ」
なめこを介して距離が近づいた気がする。
もちろん「何が楽しいの」と聞かれることもある。
抜く行為よりもむしろ多種多様ななめこたちの表情に注目してもらいたい。
きっとそのかわいさに虜になるだろう。
いつかの流行「なめこ」は、今私の一番のブームである。
よかったら是非あなたも。