ちんこすこう開発者は見た!#10 沖縄の芸人事務所FECの本当の凄さ
沖縄には大きく3つのお笑い事務所がある。「演芸集団FEC」「オリジン・コーポレーション」そして後発の「よしもとエンタテインメント沖縄」だ。筆者もお笑いは大好きなので、筆者なりの愛情表現として3回に渡って各事務所及び所属芸人などを紹介したい。
沖縄に著作権は無いよ!――。
県外の方には、法治国家を敵に回す暴論にしか聞こえないだろうが、沖縄県民ならほぼ100%ご存じ、お笑い芸人「護得久栄昇(ごえくえいしょう)」の決め台詞である。沖縄に住んでいたら彼を見ない日、は言い過ぎか、見ない週はない。オリジナルの民謡CDも発売し、今では“著作権”で稼ぐ側の人間だ。
↑センターが護得久栄昇。既に芸人の域を超えている。
大御所民謡歌手の風貌で「(私のこと当然)わかるよね!」と迫り「チンダミ(=三線の調弦)するよ!」と喝を入れる彼の芸風は、特にコマーシャル業界で非常に重宝されている。「保険は大事、わかるよね!」や「害虫の侵入、チンダミするよ!」といった具合。行政から弁当屋まで、活躍は無限に約束されている。
実は護得久がブレイクし始めた頃、筆者はクライアントに彼のCM起用をプレゼンしたことがある。その際、クライアントから出たのは「失礼ですが、一発屋ではありませんか?」との質問。
「一発屋どころか、もっと人気が出て全国に行くかもしれません!」
と答えた筆者の自信の無さを見透かされたのか、仕事は失注。だがしかし、結果は現状の通り。5年以上経過した今、彼の人気は安定期にあるといっていい。
さて、彼が所属する事務所は「演芸集団FEC」であるが、実はこのFEC、さらに強力なコンテンツを有している。それが、
「お笑い米軍基地」だ。
ハブクラゲ以上に触ると危険な政治問題をネタに、所属芸人がコントや漫才を繰り広げる舞台公演である。ネタも「某大手広告代理店のクリエイターが、数十億円かけて米軍基地のゆるキャラを開発!」など、タブーに切り込む勇気だけでも脱帽だが、物凄く面白いのだ。
そのスタンスは一見「反」米軍基地のように見えるが、左翼の運動家もきっちりネタにしている。おそらくテーマは「反無関心」。笑いで問題に耳目を集めることは、解決の一助になり得る。
一度、FEC社長の山城智二さんに話を聞いた際の言葉が忘れられない「右からも、左からも叩かれるんですよ!」。失礼ながら、そこが一番面白い。FECは、本当に凄い。
※今回FECさんに写真をご提供いただきましたm(__)m