スチームパンク風LEDゴーグル⑥(ちょっと寄り道)
スチームパンク風ゴーグルにLEDマトリクスを仕込んで、ライブの小道具として使おうという計画。まだプログラムが完成していないのに、いよいよライブが明日(11月19日)に迫ってきたわけなのだが、今回は寄り道をして、別のものを作っていたことを報告しようと思う。
こんな文章を書いてないでプログラムを作りゃいいのかもしれないけれど、俺は試験の前日に部屋掃除を始めてしまうタイプなのだ。しょうがないよね。
LEDを高密度に並べる
寄り道というのは新規LED基板の設計だ。
現状のゴーグルは片眼あたりLED52個で表情を出そうとしているのだけれど、たかだか52個ぐらいじゃいい具合の表情にならないんだよね。表情のドットパターンを打っている最中に、もっとLEDを増やして解像度を上げたいという欲がむくむくと湧いてきてしまったのだ。
というわけで、新しくKiCadで設計した回路図がこちら。今回はLEDの数が112個だ。なんと倍増だよ倍増。
LEDの密度を上げるために、前回とはLEDの配列を変えている。前回のものは、信号が同じ方向に伝わるような配置のプログレッシブ方式としたのだが、今回は1行ごとに方向が変わるジグザグ方式としている。戻すための信号線が要らないので、行と行の間を詰めることができるのだ。
ちなみに、市販されているLEDマトリックスでも、プログレッシブ方式のものとジグザグ方式のものとがあるようだ。Arduino IDEでよく使われているNeoPixelライブラリも、設定によってどちらの方式も使えるようになっている(まあ、俺の用途には使えないんだけど)。
というわけで、基板を設計してみた。
ちなみに、前回のLED52個の基板は、最大電流が「16mA × 52個=0.8A」ほどだったのだけれど、今回は「16mA × 112個=1.8A」と、前回よりもはるかに大きな電流が流れることになるので、基板の電源ラインは十分に太くしておかなければならない。目の前に置くものだから、万が一にも発火とかしたらヤバいもんね(まあ、実際には最大電流を流さなくても十分明るいので、そんな使い方はしないんだけど)。
というわけで基板の裏面は電源(+5VとGND)だけにして、細い箇所を作らないようにした。こうする上でも、ジグザグ方式の方が有利だったかな。大正解だ。
あと設計上の変更点といえば、前回まではLEDと同数のパスコンを入れていたのだけれど、今回はパスコンを半数ほどにした。文献によれば、もっと減らしても問題ないらしい。でもまあ、おまじない的に入れてはいる。
JLCPCBに部品実装まで発注
基板の設計ができたんで、例によってJLCPCBさんに発注だ。今回も、基板作成から部品実装までをお願いすることにした。112個のLEDをはんだ付けするなんて、俺には不可能だもんなあ。JLCPCBの職人さん、ありがとう! 感謝の意を込めて、バナーを貼っておくよ。
部品実装を発注するやり方は以前の記事でも書いたな。KiCadの場合は、回路図エディターから部品リスト(BoM)を、PCBエディターから部品配置ファイルを出力して、発注のときにアップロードする、という工程が必要になる。
一度やった作業なので、2度目はもう慣れたもんだ。使用部品も同じなので、あっという間に発注まで済んでしまった。俺も経験値が増えてるなあ、うむ。
早速、光らせる
そして、完成部品がいつもの青箱で到着。
拡大鏡で表裏を検品したけれど、不具合はなさそうだ。では早速、線を繋いで光らせてみよう。
うおお、光った! 明るい!
並べてみると、密度と光量の違いが一目瞭然だ。満足、満足。
プログラム自体はスケーラブルに作ってあるので、LED個数の定義(#define文)を変えるだけで同じように光ってくれる。ただ、プログレッシブ方式用に書いてあるから、ジグザグ用に改造しなきゃだな。うん、やる気が出てきた。
ゴーグルに取り付けてみる
さて、この基板をどう使うかなんだけど、家にちょうど溶接用ゴーグルが転がっていたんで、これに取り付けてみようと思う。
光るとめちゃめちゃカッコイイ!
あと、バイザーを下げると光量を抑えられるところがまたカッコイイんだよなあ。普段はバイザーを下げておいて、ここぞというときに最大光量で発光!みたいな。まるでX-MENのサイクロプスみたいだわ。
このゴーグル、ケーブルを出したりスイッチを取り付けたりできそうな装飾もあるし、仕上げていったら面白いものになりそうな予感。
――明日のライブには使えないけどなwww
(続く)