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劇団は誰のもの?

改めて、弦巻楽団代表の弦巻啓太です。弦巻楽団は2003年にユニットとして誕生し、2006年から定期的に活動する劇団としてスタートし、2016年に法人格を取得し一般社団法人劇団弦巻楽団となりました。2026年に劇団活動20周年を迎えます。

様々な公演を各地で行ってきました。道内で。道外で。あるいは国外で。でもやってることは本質的に2006年から変わっていません。脚本家、演出家でもある自分が劇団の代表、プロデューサーとして公演の企画を立てて、出演者やスタッフを集めて、予算をやりくりしながら本番に向けて創作する。入場料をいただき上演し、精算し、次回へ向け改善点を改め準備する。

15年以上の活動を通して幾つか変化がありました。

今は劇団員が増え、企画を立てるところから創作活動全般に関わってくれています。出演者もゼロベースで探すのではなく、劇団員を中心に考えるようになりました。
劇団の規模が大きくなり「一つの公演」と考える範囲が広くなりました。上演計画もかつては「やり終わってから次を考える」ペースだったのが数年先の計画を練り準備するようになりました。


時代も変わりました。演劇を取り巻く状況も変わっています。
自分はおおむね良き方向に変化している気がします。少なくても、札幌で演劇活動を始めた30年前、90年代後半に比べたら。ずいぶん整った気がします。

しかし厳しくなったり難しくなった点もあります。
最近注目されている点で言えば、コンプライアンスについてだったり、ハラスメントについてでしょうか。弦巻楽団でも必要と思われる様々な対応をとっています。
その中に「やりがい搾取」という言葉があります。
演劇の現場にもよく適応される言葉です。
例えば「あの劇団は団員をやりがい搾取している」「あの劇団は参加者をやりがい搾取して成立している」みたいな感じでしょうか。

もちろんそれは100%あってはならないことだと思います。
弦巻楽団でもそうならないように注意しています。担当者を設けチェックしたり参加者同士が話し合える環境づくりを心掛けています。(というか、自分の感覚としては逆に「やりがい」をあまりに感じさせないのがリーダーとしての自分の問題点だと思ってます。でもこれはまた別の話。)

ただそうした問題が話題に上った時、自分の中に一抹のモヤモヤが生まれます。


劇団って、誰のものなのか? 


というモヤモヤ、疑問です。

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