8.花いちもんめ/風街ろまん
1番
「電車通り」とは路面電車が走る道のことだ。そこを猛烈な勢いで駆け抜けていく子供たち。彼らは自分たちが竜巻を起こしている気分になっている。街をぐらつかせるほどのエネルギー。子供たちは多分めちゃめちゃ汗かいてる。大声をあげながら疾走する元気の良い子供達が想像される。
そして突然の風景描写
疾走感のある子供達を「動」とするならば陽炎の街は「静」だ。対句法を駆使することによって"風街"に対する想像を膨らませることに成功している。
「おしゃれな風は花びらひらひら」からは花の良い匂いがしてくる。前段では子供達の汗の匂いが感じられたのでここも対照的。
「陽炎の街、まるで花ばたけ」は、うだるような暑さで陽炎がゆらゆら揺れる街を風に吹かれて揺れる花ばたけに例えている。ゆっくりと時間が進んでいる。
間奏
長めにとって場面転換
2番
紙芝居に出て来たヒーローを真似る路地裏のヒーローたち。健康的でとても可愛い。「暗闇坂むささび変化」に出てきたモモンガの妖怪が生き生きしていた時代だろう。
ところで、場所が「電車通り」から「狭い路地裏」に変わっている。なぜだろうか。もしかしたら、電車通りで大騒ぎする子供たちを親が叱って「遊ぶなら人様に迷惑にならないところでしなさい!」と狭い路地裏に押し込めたのかもしれない。
しかし子供たちは場所が変わってもお構いなし。狭い路地裏でもたくましく遊んでいる。
「七つの海が箱庭」とはスケールが大きい。それくらい子供たちは特別な存在だ。子供は風の子元気な子。彼らには無限の可能性がある。土埃にまみれて汚かろうが、とにかくキラキラ輝いて眩しい。
間奏
渋いギターソロ。ここもしっかり間奏。
3番
最後に暗喩表現がくる。普段一緒に遊んでる背の高いお兄ちゃん二人が言い争いをしているのか、それに影響されて他の仲間もイライラしている。負のエネルギーに満ちている。苛立ちの感情をぶつけ合う。子供の頃の喧嘩が懐かしい。大体年上の子たちに泣かされてたか。。。
まとめ
子供たちの原風景。今こんな子供はいないし、筆者が子供の頃もここまでのエネルギーはなかった気がする。実際に見たことはないのに懐かしい。不思議な感覚。
そして鈴木茂の歌がうまい。
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