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音葉

18
創の「ことば遊び」
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#短文

悟り拾うモノ

悟り拾うモノ

目を刺して光はまたハネる
沸々と煮えていく身体を支え
機械を回す人の手

ここで使う
錆つききしむ骨の継ぎ目

揺らぐ老いへの認識を 抗う思考に任せ行く
ここから見えなくなっても
ここから聞こえなくなっても

探して触れて分かればいい
陽はまたキミを照らすから

ここで掴む
要らないと放り棄てた共

潤い枯れる

潤い枯れる

言葉の塊
思考が固まり

綴る言葉が同じもの
括る思考の限るもの

晒してみせよう この腹を
どんな顔でも構わない
きっと目をそらす前に鼻を塞ぐ
欲しいものなんて そんなもの

思考の意外
言葉を疎外

綴る言葉が同じもの
括る思考が限るもの

委ねてあげる この殻を
求められてるその中で
きっと何度か試せばすぐ飽きる
刺激の欲など そんなもの

周回する弧

周回する弧

ただ周る ぐるぐると

頭のネジを外してみたら
鼓膜に注がれる アメにムチで
帳尻を合わせ

ただ周る ぐるぐる

消して 決してならない
もっと深く もっと深く
消して 決してならない
もっと中の もっと中の
生き物の中へ

虹彩に反射した微生物
プリズムになりすましてる

弾いてみた 散らかしてみた
煩い色の数 

それは放置とともに薄くなる
ずっと同じを望んでも
それは認識とともに固くなる

もっとみる
群がり生まれる波紋の一瞬

群がり生まれる波紋の一瞬

全身を刺す 陽射しに焼かれ
飲み込む唾さえ ただの気休め
夜になればと祈ったものの
鎮火を待ってただ昇る煙

線を引かれたようだ
行く宛もなく彷徨う気体
力尽きた残骸

嗅ぎ付け集まる灰汁の虫
匙投げて憂う無垢な四肢
喰い散らかした希望の胞子
知らん顔した無能な葦

群れて塊 去れば波紋

脈に連動する身体の変遷

蒸した中でも音はテンポを濁さず

リズムが生まれて

それを主として身体が揺れる

無邪気に踊る 骨肉 手招かれて 瞼は落ちる

なにへの反応も 感じるままに

流れ流れて流されて

流し流れて

混濁の水 粘膜を侵して 慎みを求むまま

赤色が乾いて 赤色が固まって

これをもって完とする

留める我と痛みの終焉

裏表

冷め冷めと言葉を交わす
怒号を用いれば 棘にならない
素直な故に 損を招く
君からの視点
彼からの視点
それからの視点

揺らぎを作れば 波は続く
落としてみれば 粒を生む
沈む異物は 時間をかけて同化する

膜が針で破れたら
息苦しさも楽になる
抑えなくていい
飲み込まなくていい
偽らなくていい

君を罵って
彼を嘲笑って
それを消して

ただ 愉快に
ただ 悦に浸って
押し殺してた声を鳴らせ