幣六(へいろく)
マジレスするとこれは幣(ぬさ)を掲げる道真公で百人一首にも「このたびは幣も取りあへず手向山 紅葉の錦神のまにまに」という道真の歌が菅家という名で残されている。
鳥山石燕の『百器徒然袋』にある「幣六」という妖怪がこの道真公が零落した姿ではという話を見かけてなるほどと思った。説明文には「花のみやこに社(やしろ)さだめず あらぶるこころましみ 神のさわぎ出給ひしにやと」とあるが、これは都を終われ荒ぶる神として祟りを成した道真公を指している様に思える。
またこの幣六の絵の元になったであろう『百鬼夜行絵巻』の赤鬼の姿は道真の雷神としての姿を彷彿とさせる。