人魚(にんぎょ) その2
先日のこのツイートから日本の人魚は鯉だったんじゃないかと考えている。
もちろんヨーロッパのマーメイド伝説が日本に入った江戸以降とそれ以前では別物であったと考える必要があるけど。
根拠の一つとしては八百比丘尼伝説でこれは人魚の肉を食べて不老不死となり全国を行脚したという尼僧の伝説。実際に日本各地にその伝説は残っている。
実在の鯉にもその肉を食べると長生きになるという伝承がある。これは鯉自体が非常に長生き(個体によっては50年以上)という事に加えて、中国の故事に倣い、鯉は滝に登ると龍になるという言い伝え(登竜門の語源)も関係している。
つまり龍は鯉の進化形とも言える。コイキングもギャラドスになるしな。
映画『千と千尋の神隠し』においてハクの正体の竜神と湯屋の男女の従業員達はお互いに嫌い合っていた。これは日本古来の三すくみである蛇(≒竜)とナメクジ、カエルを表現している。
ハクが人型の姿を取るように竜神は人型を取る。日本神話において龍神は初代神武天皇の母であり(=タマヨリビメ)、また国津神の多くは龍神として描かれている。
また山形県 善宝寺では鯉は龍神の使いとして大切に扱われている。
そこで思うのは日本の人魚とは龍=神になりかけの鯉であったのではないだろうか。
普通の鯉でも食べて長生きするのなら、龍になりかけの人魚を食べれば不老不死になりそうな気がする。
『日本書紀』にある最古の記録の人魚は淡水魚だったそうだし、龍神は川の神だから淡水に生息しているんだろう。
そして現代において発見された人魚と言えば、そう、鯉に人面が現れた人面魚。これは正に鯉と龍を繋ぐミッシングリンクに他ならない。
因みに有名な人面魚が見つかったのは前述した山形県善宝寺で、古くから龍神信仰が伝えられている。