暮露暮露団(ぼろぼろとん)
鳥山石燕の『百器徒然袋』にはその名の通り『徒然草』を題材とした妖怪が多く登場する。この暮露暮露団(ぼろぼろとん)も『徒然草』第百十五段にある“宿河原といふ所にて、ぼろぼろ多く集まりて”という話から着想を得ている。
ここでいう“ぼろぼろ”は石燕の解説にもある様に普化宗の虚無僧を指している。虚無僧の虚無は「おこもさん」の薦(こも)であり乞食僧を指す。またボロを纏っていた事から暮露とも呼ばれていた。(暮露がボロの語源では無い事に注意)
因みにこの“宿河原”という土地には宿があったわけでは無いらしい。一説には夙(しゅく)と言われる被差別民が集まっていたからとも。前述の虚無僧も夙の中にあったのかもしれない。この妖怪のどこか悲しげな顔はそんな所に理由があるのかも。