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札返し(ふだがえし)

この話にある様な幽霊が生者に、または逆に生者が幽霊に結界となるお札を剥がす様に持ちかける話は良くあって、有名な所では『牡丹灯籠』のお露さんがいる。
短い怪談で語られる場合には多くの場合、お露さんが新三郎を誑かして/騙して札を剥がさせようとする。
長編の人情噺で語られる場合には、新三郎の店子で下男の伴蔵がお露さんに百両で札を剥がしてやると持ちかける。
小泉八雲は『化け物の歌』の中でこの様な幽霊を「フダヘガシ」と呼んだ。『狂歌百物語』にも「札返し」の名で登場する。
『狂歌百物語』では、「はがさんと 六字の札を 幽霊も なんまいだあと 数えてぞみる」(南無阿弥陀仏((六字の札))と「何枚だ」をかけている)「ただいちの かみの御札は さすがにも のりけなくとも はがしかねけり」(神と髪、糊気と祝詞をかけている?)など、護符と幽霊の関連などの短歌の記述を見ることができる。
(了)


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