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僕らが旅に出る理由

いま、フィンランドの高級ホテルSt.GEORGE HOTEL でこの記事を書いている。
20日に及ぶ長旅(私にとって)を経て、昨日すべての重要な予定を終えた。
緊張が解けたのと、高級ホテルの安心感とで、寝込んでいる。
風邪をひいたのかすこぶる体調が悪い。
熱っぽくて顔が火照っているので、今日はひきこもってNetflixでジョジョを観てる。

突然旅を決めたのは出発の2週間前くらいだった。
世間にずいぶん遅れてコロナに罹り、発熱から1週間後くらいだったかと思う。
8月に受領した語学留学の見積もりメールの下の方にある申し込みボタンをポチっとした。(2時間くらいは考えたと思う)

45歳である、友人たちは仕事に子育てに忙しく、旅をする暇なんてない。
旅の途中、私はいったい何をしているのだ と不安に襲われることが何度かあった。
その度に、これは私にとって意味があるし、他の人にはできないチャンスを私は神様に与えられたのだ と思いこむようにした。

仕事は個人事業主で自由な時間で仕事できていた。
夫はこの春から転勤でずっと一人だった
子供は結局できないでいた。
するべきこともない、ただ中高年の期間を迎え、そのいら立ちや不安を抱えて、メンタルクリニックを受信し、オンラインセラピーで話を聞いてもらっていた。

コロナに罹ったお布団のなかで思った。
このまま死んでも悔いはないけど、そういえばまだやりたいけどやれてないことあったな。。
それが、語学留学フィンランドへの旅だった。
何故行かないのだろう?いかない理由はなかった。

子育ても、夫のお世話も、両親の介護もない。
やりたいことをする というのは勇気がいるなと初めて思った。
これまで人生の選択は「こうすると親が喜ぶ」「これが社会にとってよい」「人から褒められる、うらやましがられる」という軸で選んできた
その判断は30代まではよかったが、40代になり、子供ができないというマイノリティ(社会的には)に突然カテゴライズされることで、自分の存在価値がゆらいだ。
予定してなかった不妊
子供を持てなかったという現実を私は死ぬまで直視し続けるのだ。
朝起きる度、夜寝る前、それは心臓が止まるまで抱えていくのだと思うと今でも辛い。

子育てを誇らしげに人生の一部にしている友人達に対して、私はそれ以外の何かをしなくては という思いに駆られた。
子供がいないからできること。
今だからできること。
人から羨ましいがられたい という気持ちが無かったとは言えない。
友人達から羨ましと思われ、子供のいない自分であるからこそできることをしなければ、もう私はこの後生きていけない とさえ思った。
自信を取り戻したかった。
私はまだ何でもできるって思いたかった。
心からやりたいことで人生を楽しむという経験をしたかった。
もう、2LDKのマンションで一人で過ごしたくなかった。

だから旅にでることにした。
その記録を少しずつまとめていこうと思う。


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