鶴 竣之祐

山の中の百姓が思ったことを書き殴るnote. それ以上でも以下でもないです

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最近の記事

男根ロゴス中心主義と農村の女性搾取についてメモ

日本の農村空間は、いまなお露骨な形で男根ロゴス中心主義が貫徹する場として存在している。 もちろん当然の前提だが、それは都市部でも多く存在するが、農村部ではより顕著である。 この男根ロゴス中心主義は単なる田舎故の情報の遮断によって維持されているわけではない。むしろ逆説的なことに、インターネットやSNSの普及は、既存の価値観をより強固に固定化する方向で機能している場合すらある。なぜなら、オンライン空間における自己呈示は、往々にして現実の権力関係を隠蔽する装置として作用するから

    • AIと生命の連続性と周東のランニングメモ

      ピーマンの果実の肥大、ブドウの新梢の伸長、ナスの茎の成長——それぞれの作物が描く生長曲線の軌跡には、ある種の共通した律動が宿っている。 生育データの数値を時系列でプロットしていくと、そこには普遍的なパターンが浮かび上がってくる。発芽直後の緩やかな成長、その後訪れる爆発的な生長期、そして徐々に緩慢となっていく成熟過程——この曲線は、まるで生命そのものの運動を表現しているかのようだ。 シグモイド関数——その数式が描く曲線は、まるで生命そのものの運動を表現しているかのようだ。緩

      • 現代コメディ『エビデンス至上主義〜それってあなたの感想ですよね?〜』メモ

        都会の喧騒から遠く離れた田園地帯で、いま、新たな形の「村八分」が静かに、しかし確実に進行している。ただし、その舞台は田畑でも、農協の会合室でも、集落センターでもない。スマートフォンの画面の中だ。 一見すると、これは奇妙な状況に映るかもしれない。かつて「デジタル・デバイド」という言葉で表現された都市と農村のテクノロジー格差は、もはや過去のものとなった。むしろ、農業従事者たちは、圃場管理アプリや気象予報システムに至るまで、最新のテクノロジーを駆使する「デジタル・ネイティブ」とな

        • 日本停滞の根源にある虚業の蔓延についてメモ

          筆者は政令指定都市内の山の中で野菜や果樹栽培を営んでいる。スモモの枯れ枝を剪定ハサミで切ると、その背景にあるビルディングの林立する都心部が垂直に伸びている。 本投稿は、単なる一農業従事者の視点にとどまらず、土木作業員、建築現場の労働者、店舗スタッフ、介護職員、そして家庭でケア労働を担う主婦など、いわゆるエッセンシャルワーカーたちの声を代弁する試みでもある。 人類の歴史において、農業従事者が自らの声を文字にして残すことは稀であった。というより、そもそもその機会すら与えられなか