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「健康」について考える

「健康」の語源は、易経にある「健体康心」という四字熟語が縮まった言葉で、体が健やかで心が安らかな状態を指すとのこと。

これを知った時、昔の人はなぜ「体」と「心」を省いたのだろう? と考えてみた。
「健康でいる」とは、体や心両方が調っている状態を指すから『いちいち言わなくていいや』と省いたのだろうか?

「健康」というと、現代の人はどうも体だけに目が行きがちな気がする。

ちなみに、health(健康)っていう英語は、heal(癒す)の名詞形。癒されている状態ということだ。
サンスクリット語で「健康」を指すsvastha(スバスタ)は、「私が存在している」という意味。

「癒される」とはどういう状態か?
体や心の痛み、不具合、不快感などが取り除かれたイメージがするし、自分の存在を意識できないと心が安らかな状態は作れないように思う。

体と心は一体。どちらかが健康でも、どちらかに不具合があると、人は健康を感じられない。

仕事の関係上、健康とは? と考えることが多い。そもそも「健康」という言葉は曖昧なのだ。人によってどういう状態を指すか? がバラバラなのだ。

「健康とは、90になっても駅の階段を上り下りできること」
「健康とは、好きな食べ物をいつまでも食べられること」
「健康とは、病気も怪我もしていない状態」
「健康とは、肌つやが良く若々しい状態」

など色々な定義が存在する。だから仕事ではできる限り「健康」という言葉は使わない。捉え方が違えば、込めたメッセージが正しく伝わらないからだ。そのぶん、どんな言葉や言い回しをするかに労力を使う。

だから時々こうやって、1つの言葉をいろんな角度から「なぜこうなったのか?」を見ていったり分解する。そうすると、漠然としていたこと、物足りない部分が埋まっていき、形がよりくっきりと見えてくる。

他にも曖昧な言葉はたくさんある。たとえば、「可愛い」「きれい」「幸せ」「成功」なども、どういう状態を指すのかは人によって違うだろう。軽く使えばラクだし、友人とのたわいない会話ならこだわる必要もない(かもしれない)。ただ、調べてみると新しい発見があったり、違うイメージが湧いてきたりするので面白い。

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剱 悠子
お読みいただきありがとうございます。 いただいたサポートで映画を観たり、本を読んだりして脳の栄養にし、ここでまた還元させていただきます。 今日もあなたに良いことが起こりますように。