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渓流釣りで再認識する「メタ認知」
こんにちは、「つりチケ」のゆきおです。今日は渓流釣りについて、僕がこれまで感じてきたことをお話しする形で、趣味の魅力をお伝えできればと思います。
- 渓流釣りって、やっぱり海釣りや湖の釣りとはまた違った楽しさがあるんですか?
ゆきお:そうですね、まったく別物と言ってもいいくらいです。自然の中に飛び込んでいく感覚、流れる水音や山の空気、そして魚との駆け引き…一つ一つが特別なんです。
ただ、正直に言うと僕は海釣りの経験があまり多くないんです。それでも渓流釣りの独特な魅力が際立っているのは確かだと思います。
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- それだけ聞くと、かなりリフレッシュできそうですね。忙しい現代人にはぴったりな趣味に思えます。
ゆきお:そうなんです。特に仕事で疲れたときや頭がいっぱいになったときに、自然と向き合う時間は本当に貴重です。そこで得られる“心の整理”についてもお話ししたいと思います。
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- 渓流釣りを始めたときのことを教えていただけますか?
ゆきお:僕が渓流釣りを始めたのは、「つりチケ」に加入した初日、まさに入社日でした。ちょうど3月1日が渓流釣りの解禁日で、その日に社員みんなで静岡の渓流に行ったんです。
- すごい!初日から渓流釣りに挑戦するなんて、なかなかアクティブなスタートですね。
ゆきお:そうなんです(笑)。ただ、あの日はコンディションが悪くて。水温が低かったせいで、誰も釣れませんでした。初めての釣りで結果が出せなかったのは少し残念でしたが、それでも自然の中にいる心地よさを強く感じました。
- 初めて釣った魚の思い出はありますか?
ゆきお:はい、岐阜県の飛騨地方の渓流でヤマメを釣ったときですね。あのときの感動は忘れられません。きれいな魚体で、自然の美しさをそのまま映し出しているようなヤマメでした。
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- それは素敵な体験ですね。初釣果というと、道具も揃っていない時期だったのでは?
ゆきお:そうなんです。実はそのとき、ゴルフ用のサンバイザーをかぶっていました(笑)。まだ釣り用の装備が整っていなかったので、持っているものでなんとか間に合わせた感じです。でも、それがまたいい思い出になっています。
- 釣りをする中で、仕事と通じる部分を感じることはありますか?
ゆきお:ありますね。例えば、僕は主にテンカラ釣りをするのですが、「このポイントには絶対に魚がいる!」と思い込んでしまうことがあります。でも、そこにこだわりすぎると時間を無駄にしたり、他の良いポイントを見逃してしまうこともあるんです。
- 確かに、それは仕事にも通じる部分がありますね。
ゆきお:はい。ビジネスでも、「ここがチャンスだ」と思って力を注ぎすぎると、他の可能性を見逃してしまうことがあります。そんなときこそ、少し距離を置いて状況を俯瞰で見ることが大事です。これって“メタ認知”の考え方に近いと思います。
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- メタ認知について詳しく教えてください。
メタ認知とは、自分自身の思考や行動を客観的に捉え、冷静に判断する能力を指します。釣りにおいては、夢中になるあまり視野が狭くなることがよくありますが、そこで一旦立ち止まって「他に良いポイントはないか」「この状況に合った別のアプローチはないか」と考えるのが重要です。
この習慣は、仕事や日常生活でも応用可能だと考えています。たとえば、プロジェクトで行き詰まったときに「今の方法が本当にベストか」を見直したり、新しい視点を取り入れることで、効率的な解決策が見つかることがあります。
渓流釣りはこのメタ認知を自然に鍛えてくれる場でもあります。自然の中では自分の限界や過ちが明確に現れるため、失敗から学ぶ姿勢が身につきます。これは釣りだけでなく、人生全般において非常に有益なスキルだと思います。
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- 釣り道具にはこだわりがありますか?
ゆきお:実は、あまりこだわりすぎないようにしています。「つりチケ」を通して、釣りを始める人を増やしたいと思っているので、自分が専門的な道具にのめり込みすぎると、初心者の目線を忘れてしまうんじゃないかと心配で(笑)。
- それは初心者にはありがたい考え方ですね。
ゆきお:釣りの魅力を広めるためには、初心者でも始めやすい環境を作ることが大切だと思っています。そのために、シンプルな道具で十分楽しめることを伝えるようにしています。
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- 渓流釣りを通じて、自然との向き合い方に変化はありましたか?
ゆきお:大いにありますね。釣りを始める前は登山が好きだったのですが、山に行くときも川の存在をそれほど意識していませんでした。でも、釣りを始めてから、川の流れや環境の微細な変化に気づけるようになりました。
- それは素晴らしいですね。
ゆきお:自然の中で釣りを楽しむうちに、「見ようとしないと見えないもの」「気づこうとしないと守れないもの」がたくさんあることに気づきました。そして、それを壊さないようにすることの大切さも実感しています。
- 環境保護の活動にも関心を持つようになったのですか?
ゆきお:はい。「つりチケ」の活動を通じて、漁業協同組合の取り組みや、釣り環境を守るための努力を知りました。過疎化や高齢化で活動が難しくなっている地域もある中で、未来のために何ができるかを考えるようになりました。
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- 具体的にはどのようなことを行っているのですか?
ゆきお:最近は企業のSDGs、生物多様性保全の取り組みと河川の環境保護を結び付けられないかと考えています。
ボランティア的な活動に加えて、自然の中での体験を通じた従業員研修・チームビルディングなどにもつなげられないか、各地の漁業協同組合さんと取り組んでいます。
- 話は変わりますが、渓流釣りには危険も伴いますよね。どんなことに注意していますか?
ゆきお:そうですね。まず「生きて帰ること」を最優先事項にしています。国内でも毎年、釣りで命を落とす人がいるので、初心者には必ずステップを踏んでもらうようにしています。
- 渓流釣りをこれから始めようと思う読者に、一言メッセージをお願いします。
ゆきお:渓流釣りは、ただの趣味を超えた、自然との深い対話の場です。釣りを通じて、自分自身を見つめ直し、日常に新しい視点をもたらしてくれるでしょう。ぜひ一度、渓流の世界に足を踏み入れてみてください。