触手がほしい時 -できない世界と子育てと洋食の旅記録-
近々娘と2人で遠出しなければならない用事がある
ロングドライブの予行練習に、娘と高速道路を使った遠出をしてみた
最近は助手席に乗りたがり、根負けしてジュニアシートを移動させて乗せていたが、高速はやっぱり運転席の後ろにしたい
理由は、そこが一番安全な席だから
なのだけど、これがなかなか苦戦を強いられる
パーキングに駐車して、ジュースを買って娘を説得する
私:「うーちゃん、やっぱり高速は速度も出るし危ないから、後ろの席に座ってほしいんだ」
娘:「やだ!カカの横がいい!!」
私:「うーちゃん、でもさ、カカはうーちゃんが一番安全な席に座ってほしいんだよ。前の席はやっぱり気になっちゃうから、運転にも集中したいんだ。
下道は60-80キロだけど、高速は100キロも超えてくるし、速度も上がるからそれだけ何かあった時に大変なことになるから、うーちゃんには安全な場所にいてほしい。」
娘:「やだ!カカが見えないもん!!
絶対やだ!!カカと背中でお手てつなぎたい!!(泣叫)」
“背中でお手てつなぐ”とは、手を繋ぐのは運転手的にできないので、背中にそっと手を添えるぐらいは良しとしている折衷案です
後ろの席では私の顔も見えず(鏡ではダメらしい)触れられないので断固拒否の姿勢
あぁ、宇宙人みたいな触手があったら楽なのに
宇宙人に触手があるかは知らないけれど、映画でエイリアンには付いていそうじゃない?
触手があれば、後ろでも手を繋げるじゃない
(絵にするとなんだかグロいな...)
そんな軽い願望は、娘の赤ちゃん期にも思ったことだった
もし千手観音みたいに手が何本もあったら、椅子に座っている時抱っこで寝落ちした時「あそこのティッシュが取りたい、けど届かん...」りょ、両手が塞がってどうしよう。でも今ポジションは変えられん...あと一息待たねば...って時とか、
おしりふきがあと一歩届かない距離にある時とか、
おんぶしながらヨダレを拭けるのにとか、
思っていたなぁ(今となっては懐かしい)
千もいらんけど1本あったら違うよな、猫の手ではどうにもならん
とか、思っていた(あぁ懐かしい)
まるまる1時間は説得しただろうか...
動画視聴とパンも付けたがダメだった
空腹でナナメ説は半分当たっている気もしたけど、タイミングも難しい
ロングドライブ、予行練習はすべき。しておいて良かったと心底思う
こんな時夫なら有無を言わさず強制執行するのだが、私は違うタイプなので、別に今日は時間の制約もないし、まぁ、向き合ってみようじゃないかと思った次第
そして思った
車内でコウモリも気絶するんじゃないかというくらいの叫び😭(ムンクの「叫び」なんて 超音波級に超えていると思う)に、耳を塞いで自身の鼓膜を保護しながらも、同じ目線で感情的にならずに具体的な言葉を使って怒ることなく説得している、私。
私、めちゃスキル上がってるやん😭
恥ずかしながら私も完璧ではないので、キレる娘に同じレベルで怒ったり大きな声を出してしまうことも、あります。(あるよ、あるある。そもそもワンオペなんて人類レベルで根本的に無理なんやって)
そして後から娘に「怒った顔は嫌だ。笑った顔がいい」と言われ反省する(でも言ってる本人はどうなのよ、と毎回思う。本音)
そして思った
なんて、慈悲?慈愛?を得ているんだ。すごいぞ!精神が成長しとる
そして、結果娘は自分で後部座席に移動し、座った😭
長い闘いだった
しかし時間をかけたことに後悔はしていない
いいねん。かけても
そのために時間がかかっても支障ない日を選んだのだよ
その後娘は自分で選んだジュースが炭酸(本人談)だったらしく飲めなくて不機嫌にもなったが、概ね全体的には落ち着いて、なんとかなっていたように思う(少なくともシートベルトを抜け出すことはしなかった‼︎すごいぞ😭泣ける)
そんな慈愛の精神をGETできたのは、その前に食べた洋食屋さんの感じがすごく良かったからだ。その影響大
越前のヨコガワ分店で食べたボルガライス
ボルガライスとは薄焼き卵のオムライスにカツが乗り、自家製ソースがかかった名物
福井ではボルガライスのようなご当地横文字のメニューが店をまたいで存在する
そんなボルガライス、なぜだかホッとする味
庶民派な味。でも高級店には出せない味
美味しい
でも、何よりお店の空気感がそうさせているようにも思える(もちろん味も美味しいよ)
清潔な店内、なんとなくあったかい雰囲気。京都で下宿していた時、学生がよく行く個人店の食堂みたいな、あの感じ。
家ではないけれどなんとなくホッとする
お店やご夫婦の空気感が素敵
尖ることもなくしっかりしていて丁寧
すぐ横に神社があって、ご飯を食べた後お参りをした
飼い主さんと猫が散歩していて、猫なのにノーリードでもぴったりついて歩く姿にすごいなーと思った(猫なのに!)
帰る途中、娘が持っていた松ぼっくりを置き忘れたと言い出し、取りに戻ろうとしたらドアを開いておかみさんが持ってきてくれた
お参りしているのがみえたから〜
と言って、「はい、どうぞ」と置き忘れた松ぼっくりを娘に渡してくれた
私は自動的にあたたかい空気に包まれた
若い人がずらりと並んでいた理由がちょっとわかった気がした
越前の旅は楽しいものになりました
ありがとう
娘が赤ちゃんの時は秘境に住んでいたこともあり、私は「できない世界」の人間だと思っていた
普通にお茶を飲むことも、トイレに行くことも、お風呂を掃除することすらも「できない」
誰かに会いにいくことも、
何かを観に行くことも、
友達の結婚式に出ることも「できない」
普通の人たちは「できる世界」の人間で、私は「できない世界」の人間だと思っていた
何かを願うことすら許されない
願ってもいいけど、できないから「できない」のが辛くて願わないようにしていた私
でも「子どもがいるから」で、「できない」はもう嫌だと思って、同伴で、できるだけ「行きたい・やりたい」を実現しようと決めてから、子どものペースは何倍も時間がかかるけど、少しずつできる世界に戻ってこれた気がします
実家が遠くてサポートを得られない方、
夫の理解が得られない方、
保育園や公的サポートを受けられない方、
今厳しい状況を生きているお母さんたちがもっと生きやすいように
子連れでも行きたい世界に行けるように
願ってやまない
世の中が優しい空気に包まれますように
でもこんな終わり方はしたくないので、そのためにできることを書いて締めたいと思う
長くなってしまったので別に書きました。よかったらみてね
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最後までお読みいただきありがとうございます☺️
気楽にやっています
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Tsuritako
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都会・田舎・秘境の限界集落(山暮らし)の経験から、
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