物欲ノート
物欲ノートを持っている。
無印良品の小さい無線綴じノートに、欲しいなと思ったものをかいていく。文章だったり、絵だったりで。文章の場合は、どんな感じに素敵なのかを書く。絵の場合はできる限り色鉛筆で塗る。
物欲レベルは様々だ。雑誌やSNSで「え〜なんかいいなぁ〜」程度のものから、喉から手が出るほど欲しいもの、誰かと被るから買いにくいもの、着たいけど自分には似合わない服、買おうと思えばすぐ買えるもの、高価なもの、外国に行かなければならないもの、どこに売っているか分からないもの、買うまでの思い出を必要とするもの、いつか欲しいと思うものまである。映画の中で着られていた服を描くこともある。
始めた理由は、いくつかある。
正直な理由は、散財が甚だしい自分に一旦ストッパーをかけるため。一度冷静になれ、本当に欲しいのか考えろ、と。
頭が良さそうな理由は、自分の惹かれるものを並べ、自身を客観視するため。
かわいい理由は、自分の惹かれるものや言葉が集まったノートって、なんだかすてきだと思ったから。
そして裏の理由に、「何か欲しいものはないか」と聞かれた時に引く字引として使えると思ったから、がある。そうそう無いわ。誰や。
どの理由も全部本音だ。
そしてその目的が達成されたかというと、一応成功している。
不思議なことに、ノートに書くことである程度満たされる。自分のものになったような感覚だ。それに、こんなふうに素敵だ、ここのディティールがこうなっている、などを語りまくるのはかなり楽しい。
今かくとすれば、やや深さのあるオーバルの皿だ。フチに青かワインレッドか緑のラインがあるもの。イタリアの家族経営の店で、具のないリゾットが盛られて出てきそうなお皿。がしがし使っても安心で、家族3人分購入できる値段。できれば海外で買いたい・・・。
こうやってある程度書き込むと、いざ買おうという時にも外せないポイントを整理できる。
一方で、描いているうちに買う気が失せたものもある。
スキニー。ヒップ周りが張っている体型の私には壊滅的に似合わない。
ラフなTシャツとスキニーを合わせた女性の絵を描いてみて、あ・・・と分かった。いま見返すと、分かりすぎて「あかんやつやった」と書いてあった。
Agnes Bのツナギ。雑誌のストリートスナップだかで見て、あまりの可愛さに悶絶、即描いた。色は黒で、ゆとりが程よい。ジップが金色。ストリートすぎず、いかにもギャルソンだ。ツナギは学生の頃の制作で着ていたので思い入れもあり大好物。これにスカーフをしてバイクに乗りたい(垂涎)。
しかしそもそもどこで手に入れるのか。きっとめちゃ高い。そしていつ着るのか。年に何回、おしゃれするようなツーリングに行くのか。基本、食い道楽か山か道の駅だ。やめました。
さらに最近、持っている服と靴をすべて描き出した。
整理したので意外と見開きで収まる。色の偏りも分かる。この服は実はあまり気に入ってないな(このノートに書きたくないな)とかもあって面白い。
これからも続けていきたいな、と思っている習慣の一つ。