Step By Step
いまだに国からマスクは届かない。
ウイルスの拡散防止のためというよりは、シーズン的に花粉から身を守るために必要としていた時期にあの品薄騒動が勃発し、一時はどうなることやらと鼻水を垂らしながら気をもんでいたのだけれど。
自粛の手持ち無沙汰が作らせた友人お手製の布マスクの恩恵にあずかる頃には、花粉も鳴りを潜めていた。
いまや感染を防ぐというよりは、良識ある日本国民であることを証明するバッヂになったマスク。
南の方から入梅の便りが聞こえて来る頃になっても、街行く人々が皆一様にマス