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お父ちゃんのチャンポンが食べたい
動画でチャンポン食べてるの見てたら
父のチャンポンが食べたいなって思った
料理上手な父でした
父は台所に入るのを嫌がる人ではなかった
むしろ、自分が食べたくなったら
マメに作ってましたね
芹を摘んできた日は白和え作ったり
混ぜご飯も美味しかったなぁ
ごぼうと人参を職人技で
ささがきにしていくんですよ
ほんと細かくて食べても口の中で邪魔にならない
横に座って真似して手伝ったこともあったけど
途中で飽きてくるのに
父は黙々とささがきを作っていく
それを鶏肉やちくわと一緒に甘辛く煮て
出来立てご飯に混ぜていく
これが本当美味しくってね
無限に食べられるくらい
でも、一度お弁当に持って行ったら
糸引いててね😅
「あれ?糸引いてない?」って言われたけど
『酸っぱくないから大丈夫』って食べた😁
ごぼうは足が速いから痛んでたけど
味は変わらなかったから完食〜
それくらい美味しい混ぜご飯
でも、それより上をいくのが
お父ちゃんのチャンポンなのです
お父ちゃんのチャンポンは絶品なのです
父のチャンポンはスープ作りから始まります
鶏ガラをコトコト煮込んで
白いスープを作ります
豚肉と野菜をラードで炒めて
塩胡椒に醤油
そこに最後にお砂糖
隠し味というより多めなのです
確かに長崎で食べたチャンポンは甘味が強い
そう父は長崎生まれ
本場仕込みの味なのですよ
って誰かに教えてもらったはずはないのですけど
私たちが結婚して食べる人数が増えてきた時には
鶏ガラのダシ取りは無くなって
鶏ガラスープの素に変わりましたけどね
味の素の中華味ではダメみたい
そこは父のこだわりのようです
野菜やお肉が多くて
今は全部食べられないかもなぁ
今で言うところのジロー系並みの量だった
あとは塩クジラをじゃがいもと
炊いたのも美味しかったなあ
塩クジラを薄く切って出汁代わりにして
じゃがいもを炊く
これは母も作ってた
塩くじらは
今では高くて
こんな贅沢な食べ方出来ませんけどね
関西風のおでんにも昔は入てった
コロって呼ばれてた皮の部分
黒い皮の下辺りがトロッとネチっとしてて
美味しいのです
そんな父が亡くなって早23年
あゝ
お父ちゃんのチャンポンまた食べたい
同じ味を出せたとしても
それは擬きであって
お父ちゃんのチャンポンではない
さびしいなぁ
仕方ないから自分で擬きを作ろうか