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素朴さと新鮮さ
人は変わらない懐かしさと初めての驚きに惹かれると思う。
変わらないものの良さと変わったものの良さ。
仕事の帰り道に立ち寄った下町の町中華屋さんにその2つが共存したものに出会った。
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職場近くの町中華のオムライス。
カウンターに並ぶ食器も、フライパンとお玉が重なる音も、働く人の温かい雰囲気も、もはや店内のすべてが刺さる。
言葉では表現できないけれど、なんかいい。いい、なんかいいんだよ。
ふわっと香る油の香ばしさから、中華鍋で振るわれた姿がイメージできる。チャーハンを作るように、ケチャップライスを作ったのだろう。
そして、卵は絶妙に薄い。けど、それでいてしっかりとケチャップライスを包んでくれている。れんげでさくっと卵をすくう。真ん中にかけられたケチャップは程よい酸味とトマトの風味をまとわせてくれる。
家の食卓でも出てくるオムライスだけれど、よく食べたことのあるオムライスだけれど、このオムライスは初めてだった。
なじみあるけど、新鮮で、素朴で飾らないけど新鮮。
洋食屋のオムライスでも、食卓のオムライスでもなく、まぎれもなくそれは中華屋のオムライスだった。