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春の散歩道

やっと春が来た。 家の近くの川沿いの道。 満開の桜がピンク色の花道をつくる。 たくさんシャッターを切る。 この風景を見て欲しい人のことを考える。 あの人と見たいなぁと思いを馳せる。 自転車で走る家族を見て、自分の未来を想像する。 そうそう、散歩ってこういうこと。 しみじみと思う。 誰にも邪魔されない1人の時間の中で、色を、香りを、心の余白を楽しむ。 四季の中では秋が1番好きだけど、この季節が来る度にやっぱり1番は春かもって思ってしまうくらいに、春が好き。 そ

    • 素朴さと新鮮さ

      人は変わらない懐かしさと初めての驚きに惹かれると思う。 変わらないものの良さと変わったものの良さ。 仕事の帰り道に立ち寄った下町の町中華屋さんにその2つが共存したものに出会った。 職場近くの町中華のオムライス。 カウンターに並ぶ食器も、フライパンとお玉が重なる音も、働く人の温かい雰囲気も、もはや店内のすべてが刺さる。 言葉では表現できないけれど、なんかいい。いい、なんかいいんだよ。 ふわっと香る油の香ばしさから、中華鍋で振るわれた姿がイメージできる。チャーハンを作る

      • 飾らない日常の鮮やかな景色

        朝起きて、支度をして家を出て、仕事をして、そしてまた家に帰る。ぶっ倒れるように寝てまた朝になる。 通勤途中の川沿いの木々が橙色になっているのを見て、季節が変わっていることに気づく。 昨日より成長できているのかも分からない、 同じことの繰り返しのような毎日の中で、 知らない間に季節はどんどん変わっていくし、時間はどんどん経っていく。 過ぎていく時間を、実感させられるような季節の変わり目が、 いつもとは違ってしんどかった。 緑色が、橙色が大好きだったのに、秋が大好きだったの

        • 心がある強さと心が無い強さ『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』フィリップ・K・ディック

          『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』フィリップ・K・ディック SF小説の超名作らしいこの本を読んでみた。 読み始めこそ、知らない言葉が並び世界観に入り込むのに時間はかかったものの、その世界に入り込めばあっという間に読み終えてしまった。 ハラハラしながらも考えさせられる、さすがSF小説の名作と思わせるとても面白い小説だった。 アンドロイドに心はあるか? 人間とアンドロイドとの一番の違いは心があるかないかであるが、読み進めていくうちにアンドロイドにも心はあるのでは、という

          最低限で最大限の生きる『生きるぼくら』原田マハ

          『生きるぼくら』原田マハ 生きることの原点を教えてくれる本でした。 自然界における人間の動物的な生きることを感じました。 最低限だけど、それが最大限の幸せ。 生きていくうえで、楽しいこともあるけれど、それと同じくらい嫌なことにも向き合わないといけない。 そんなしんどく、疲れた時にこそ読みんでほしい本です。 しんどい時こそ支えられる、かっこいい大人になりたいなぁ。

          最低限で最大限の生きる『生きるぼくら』原田マハ