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「地方と山」 ~関東平野から抜け出して~

私は埼玉県の比較的東京寄りの出身です。
いわゆるベッドタウンと言うのでしょうか。
周りは見渡す限りの住宅地。公園も少しはありますが自然豊かな環境とは無縁です。

身近な山と言われれば遠くに見える秩父山地。

とは言っても名前がわかるほどはっきり見えるのはさらに奥の「富士山」だけ、
秩父山地自体は「あのへんが埼玉の山間部」くらいの認識でした。

その後、就職して長野に住み、岐阜、北海道、愛媛、青森、と転々と働くことになりました。

そこでは必ずと言っていいほど山が身近にあります。
長野は山岳県ですから
北アルプスを筆頭に八ヶ岳や美ケ原、北信五岳、浅間山、周りを見渡せば必ず山が目に入る環境です。

続いて岐阜県の特に私がいた飛騨地域は、
長野と同じように北アルプスの山並みと、少し遠くに白山が見えます。里山も非常に多いです。ちなみに冒頭の写真は高山市内から見た北アルプスの景色です。特に笠ヶ岳の姿が秀麗です。

愛媛県は石鎚山を筆頭に四国山地が中央を分断しています。

そして今いる青森県は八甲田山が県の中央に堂々と立っており、弘前方面に足を運べばこれまた立派な岩木山があります。

北海道は平野部が多いですが、私が働いていた上川町は大雪山のお膝元だったため、特に旭ヶ丘という高原に上がると雄大な大雪山を眺めることができました。

他にも社会人になって旅行がてら様々な地方で登山をしますが、東京や大阪などの都市部と沿岸地域を除けば、どの地域にもやはり地域を代表する立派な山があります。

岩手山、筑波山、赤城山、白山、恵那山、伊吹山、阿蘇山...

石垣島にだって於茂登岳という沖縄県最高峰が島の北部にどっかり鎮座しているのです。

このような環境を経験すると、東京や埼玉など周りに山が無い関東平野って特殊だと感じます。


自身の出身地に郷里の山があるってどんな感じなのでしょうか。

昨年、みかん収穫の仕事で愛媛県に1カ月ほど行っていましたが、
久々に拠点の松本に戻った時に、北アルプスの山並みと常念岳のシルエットに「帰ってきたなー」と思わず感慨深くなってしまいました。

同じような感覚を山のある地域出身の方は帰省のたびに感じているのかもしれませんね。そんな地域の山に登ることで、その場所のことが少しは知れたような気がして、それが私の登山の楽しみの一つになっています。

つの







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