「山小屋」という価値をもっと
年末から続けてきたnote更新も今回で50個目の記事となりました。毎日更新していた当初の勢いはありませんが、思っていたより続けられているな、という感触です。
先月末の記事で「山小屋や登山の価値をもっと高めたい、そして発信していきたい」ということを綴りました。
そもそも山小屋の価値ってなんだろう、という部分から。
登山客の視点からすれば目的の山に登るための中継地点、宿泊施設、休憩場所といったところでしょうか。
他には登山道の整備や登山者の救助といった役割があります。
でも山小屋の価値や役割ってそれだけなのでしょうか?
山小屋というものが生まれて以来、山小屋の価値や役割は大きく変わっていません。
一般登山者向けの初めての山小屋「白馬山荘」が1907年に開業してから100年以上が経過しました。
元々素泊まりだけだったものが食事を出すようになったり、相部屋ではなく個室を用意できるようにするといった変化はありますが、「山に登ることを目的とした登山者を泊める・休ませる」という部分は基本的には変わっていません。
山小屋っていわゆる「ガラパゴス」です。
特殊すぎる環境が故に下界の変化に比べてほとんど変化が起こらなかったのです。
例えばキャッシュレスが当たり前になってきた中で今でも現金のみなところとか。
「ガラパゴス」について詳しくはまた今度。
昔から変わらない、というのも価値でありますが、コロナやその他理由による登山人口の減少の中では、新しい価値を見出す必要性が高まっています。
そしてその価値が生み出すポテンシャルは、100年間変わらなかったが故に十分にあると思っています。
例えば一例として山小屋の価値の表現を、「雑誌」から考えてみます。
まず山小屋は、山に登るためのお客さんしか利用しない施設だったので、「ヤマケイ」や「ランドネ」などの山雑誌でしか山小屋の紹介はされてきませんでしたが、
例えば下の写真に写っている、日本最後の秘境と言われる、「雲ノ平」にある山小屋・雲ノ平山荘を
「暮らしのデザイン」情報を発信している雑誌「casa brutus」の宿特集に載せても良いと思うのです。
下界でも珍しいような洒落た建物が、なんと下界の光が一切届かない北アルプス最奥地にあるのです。
または日本の温泉特集に、
日本で最も奥地にあると言っても過言ではない高天ヶ原温泉を掲載しても良いと思うのです。鬱蒼とした自然の中にとつぜん白濁した温泉が現れます。
さらにはカフェ特集に三俣山荘の展望食堂を載せても良いと思うのです。
オープンしたての中目黒のスタバに3時間くらい待つくらいなら、歩いて10時間くらいの絶景カフェに行く価値はあるのではないでしょうか。
山に登るための山小屋ではなく、山小屋自体を楽しむための山小屋。
利用するのは登山者だけでなく、山登りの恰好をした旅行者でもいいのです。
今回上げたのはほんの一例で、視点を変えればいくらでも山小屋の価値とかその表現の仕方は見えてくると思います。
山を登るためではない部分の山小屋の利用価値について、今後も思いつく限り投稿していきたいと思います。
つの
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