風俗の仕事で得たもの、失ったもの


こんばんは、多動と申します。
風俗のお仕事を上がって5年半が経ちました。

今日は「風俗の仕事で得たもの、失ったもの」を振り返りたいと思います。




得たもの①:健康

風俗の仕事で得たものとして真っ先にあげられるのが「健康」です!
19歳のとき悩まされていた過換気症候群が、風俗で働き始めたらすぐに治りました(笑)

過換気症候群というのは、呼吸が暴走して自分でコントロールできない状態に陥り、次第に指先や唇がしびれてくるやつです。
どうしても周囲に強いインパクトを与える症状なので、呼吸の苦しさよりも「周囲を驚かせてしまって申し訳ない…」という気持ちの方が強く、本当に困り果てていました。

当時、私は大学生。フルコマ授業に加えて、週6でスーパーのアルバイトをしていました。さらにその合間を縫って、家事・大学の課題・実技テストの練習をこなす日々。(看護学科だったので定期的に実技テストがあったのです)
物覚えが悪く、実技の練習を人一倍やらないと合格できなかった私は、睡眠時間を削ることで時間を捻出していました。

カフェイン過敏なのに、数時間おきにカフェインのドカ飲みを繰り返さざるをえず、身体的にかなり負担のかかる生活でしたが、生活費のために週6バイトはやめられませんでした。

そんな生活に限界を感じて、風俗の世界に飛び込みました。
風俗なら短時間で高収入を稼げる。これなら睡眠時間も、学業に専念する時間もとれる。
風俗で週1~2働き、スーパーのバイトを週1に減らしたら、まとまった睡眠を取れる日が増えました。
カフェインドカ飲みをする必要がなくなり、気づいたら過換気症候群が治っていました。
過換気症候群は周囲からは「精神的なもの」と思われていましたが、私としてはカフェイン過剰摂取が原因だったのではないかと思っています。


得たもの②:叩かれても折れない心

風俗の仕事を通じてネットで叩かれることに耐性がつきました(笑)
ネットには風俗裏掲示板がございまして、そこに風俗客は好き勝手に嬢の悪口を書き込むのです。

私は好奇心でたま~~に掲示板を覗いていました。
たま~~に「かわいくなかった」「不幸そうなオーラが出てた」「変わってる」等の悪口を名指して書かれていることがありました(笑)
おかげで叩かれても折れない心を得ることができました!

私は現在、「反出生主義」「安楽死法制化」という、まあ燃えやすいテーマで発信をしてまして、実際に半月に一回プチ炎上、数か月に一回ガチ炎上しています。
「いかれた思想をばらまくな」
「あなたは親に愛されなかったかわいそうな人ですね」
「カルトじみてますね」
など散々言われていますが一切へこたれることなく発信活動を継続できています。



得たもの③:書く習慣

特別スタイルが良いわけでもない、美人でもない普通の私が、どうやったら常連客を作ってランカー嬢になれるのか?を研究し続けた結果、書く習慣がつきました。

お客さんにつくたびに接客記録を作成して接客をふりかえり、PDCAサイクルをガンガン回す。
わたしの場合、初々しい素人の恥じらいを演出する接客よりも、「ごろーんしてねー」とお客さんを押し倒し、「いいこ、いいこ」と声をかけてリードする接客スタイルの方が、リピートしてもらえる率が高いことが分かってきたので、受け身タイプの男性にターゲットを絞った写メ日記(風俗嬢が営業ブログとして使っているツール)を書くようになりました。

新規を呼び込んだり、リピーターの再訪を促したりするため出勤のたびに必ず写メ日記を投稿していました。
私はビジュアルでパネル指名を取れるタイプではなかったので😂ネット指名を取るためには文章で勝負するしかないとコピーライターばりにタイトルを練るなどしていました。
写メ日記を通して鍛えた「書く習慣」が今のnoteに生きているように思います。



失ったもの:ない。マジで。


失ったものはありません。本当に、マジで。

風俗を引退した女性からは

「風俗嬢時代を思い出すと、なんて汚いことをしていたんだろうと気持ち悪くなる。当時は心が麻痺していたから平気だったけど、風俗上がって通常の感覚を取り戻したら平気じゃなくなった」

「風俗の仕事は、みずから人格を殺されにいくようなもの。風俗店に在籍中に解離性障害を発症して、引退した今も治らない」

「風俗で働いた過去に罪悪感がある。いつどこで過去のお客さんに遭遇して家族や会社にバラされるか分からないので気が休まらない」

などの声を聞いたことがあります。
風俗で働いたことがトラウマティックな記憶になっている人も少なくないようです。

不思議と、わたしにはそれが全くないのです。

幼少期より尊厳を削られる経験を人一倍してきたので、風俗で働く前から心が壊れていたからかもしれません。

あるいは風俗の仕事に理解ある友人に恵まれてきたので、自分にスティグマを刻まずに済んだのかもしれません。

あるいは風俗で働いていたときの心の麻痺が今も続いているだけなのかもしれません。いつか正気を取り戻したときに、これまで溜め込んでいたものが爆発してしまう可能性はゼロとは言えないでしょう。