SUNABACOのアントレプレナーシップ育成講座を受講したよ 中編
試行錯誤をバリューに変えられないかなぁ
前編で書いた会話の中で、みやさんは「最近楽しかったり、充実した出来事」として「うちの農場を知ってもらう!」ためにお客さんとの交流を図った1年だった!と語り、その後に「天候が悪い中で、いかにおいしい作物を作るか?の試行錯誤の一年だった」と続けたんですよね。
農業の素人の僕は「天候は悪くても、農家の技術で作物の味って何とかできるの?」と引っかかり、「具体的にどういうことをやってるんですか?」と聞いた訳です。
みやさんからは「作物の味を美味しくするための取り組み」を(3年分の作業内容が1ページに記述できる紙ベースの)農業日誌に書いているとのことだったので見せてもらいました。また、農薬散布の実績を記録するアプリなども見せてもらいました。でも、どう考えても「後から活用できる形でまとまってはいないなぁ」と思ったんですよね。
だから、この段階で頭の中に「農作業の内容を毎日簡単に記録出来て、データの活用も出来るアプリ」というアイデアがとりあえずは浮かびました。しかし同時に「多分、そういうアプリは既にあるだろうな」とも思い、すぐに調べてみると予想通りそんなアプリは山ほどリリースされてました(笑)
ここからみやさんにもっとインタビューをしていきました。
僕:毎日農作業の内容を記録されてますけど、これって後から振り返ったりするんですか?
みや:そうですね。しますよ。
僕:うーん、どうやって振り返るんですか?
みや:携帯に写真を残してるので、去年の今頃の状況を写真で確認しますね。
僕:なるほど。。。ということは農業日誌を振り返る訳では無い、と。
みや:まぁ、そうですね。
僕:当日の農作業の内容って誰が決めるんですか?
みや:大体、僕ですね。
僕:それメンバーにはいつ伝えるんですか?
みや:朝、作業前にに皆集まるのでその時に伝えます
僕:口頭で、ですか?
みや:そうですね
僕:で、もしその人がその日に作業を完了しなかったとして、それっていつわかるんですか?
みや:全部終わった夜に家に帰ってきてからですね
僕:うーーーん、あの、その日割り振った作業が完了してなくても困らないんですか?
みや:困ります
僕:でも日中は誰がどこまで作業しているかはわからないし、メンバーもみやさんに報告をしてこないんですね?
みや:そうですね
僕:あの、ちょっと財務諸表見せてもらって良いですか?
みや:はい、これです
みたいなやり取りがあって、
メンバーが指示された農作業をタイムリーに完了出来ないと作物の品質や歩留まりに影響が出る事
現状はメンバーの作業の割り振りや進捗状況が管理出来ていない事
各自の作業時間が記録されておらず、作物の各ロットにおける生産原価としての人件費が算出できない事
などなどのファクトが明らかになってきて
試行錯誤がデータ化されてないから、資産になっていない
ことがわかった訳です。なのでテーマとしては「試行錯誤を無駄にせず資産化する」ということにして、これがのちに「トライをバリューに」というスローガンになっていきました。
で、アントレ講座の目的が「経営へのインパクト」であるという解釈をしていたので、卒業制作では経営上のインパクトを定量的に示すために「売上高の増加」のみにフォーカスして、それをどのようにデジタルを用いて実現していくのか?というストーリーで進めていくことに決めました。
あ、あと同時に決めたのは可愛いネーミングでいこう!ということと、楽しくハッピーな未来が描けるようなプレゼンにしよう、ということでした。可愛いは正義!
続く