ショートネタ「運動会」
今日は小学校最後の運動会。でも僕のお父さんもお母さんもは来ないだろう。うちは共働きで今まで一度も親が学校行事に来たことが無い。二人とも忙しいし仕方がない。
徒競走で僕の番が来た。
『誰も僕のことは応援してない』
そう思った時だった。
「がんばれ!タクヤ!絶対一番だ!」
まさかと思い、振り返ると
そこには知らないおじさんがいた。
知らないおじさんが僕に向かって叫んでいる。
「フレー!フレー!タ・ク・ヤ!」
ちなみに僕の名前はソウタだ。
でも僕とバチバチに目が合っているから、僕を応援しているに違いない。
一体誰だ、あのおじさんは誰なんだ...
不思議に思いながら臨んだ徒競走で、僕は一番を取った。