吉田統樹

広告代理店勤務。マーケティング、プロモーション、営業、デジタルメディア。

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デジタル広告代理店の戦略的組織マネジメント術

はじめにはじめまして、吉田統樹(つなき)と申します。私は2024年3月現在、総合広告代理店に約14年間勤務しています。そのキャリアの半分近くはデジタル領域を扱うグループ会社に出向しており、特に最後の3年3ヶ月は中間管理職(グループマネージャー)として従事していました。 そんな中で4月から本社に戻ることになったのですが、どうも異動時エントリ(?)というものが性に合わない性格で、、せっかく感謝の意を示すならもっと皆さんの実務のお役に立てる形で恩返しをしたい、と思い立ちました。 で

    • ネガティブなフィードバック

      前記事とその前の記事で、目標設定と評価業務への向き合い方を述べさせていただきました。これを実践すれば、あなたの部下が正当な評価を獲得できる確率は高まるはずです。しかし、会社の評価というものが常に限られた原資を取り合う構造になっている以上、常に全員が満足する評価を獲得することはできません。そうなった時は、マネージャーからの「ネガティブなフィードバック術」が求められます。 不当な評価の要因分析 決定された評価(評点、グレードなどの定量指標)を伝えるだけで納得するメンバーはいま

      • 評価者になるな、共闘者であれ

        メンバーを評価することはラインマネジメント職の重要な任務の一つです。ただ私はここにものすごく大きなプレッシャーを感じていましたし、マネージャーになりたての頃は「自分のような経験の浅いマネージャーが人を評価する立場に立ってよいのか」「自分のような経験の浅いマネージャーに評価される部下はもしかして不幸なのではないか」というネガティブな思考を払しょくできませんでした。 そこで私は、自分の中で意識を変えることにしました。自分はメンバーを評価する存在ではなく、メンバーの評価を勝ち得るた

        • 目標設定はゲームのルール×期待の伝達

          メンバーの評価は、管理職の中で最も責任の重い業務です。それはメンバーの社会人人生、あるいは人生そのものに直接的な影響を及ぼします。ですのでここには管理職として最大限の誠意を持って臨む必要があります。 そしてメンバーの評価のスタートは目標設定から始まります。まずは目標設定について考えてみましょう。 目標設定の重要性 メンバーを評価するにあたって最も重要なのは「納得性」です。もちろん大前提として厳正で公平な評価を下すことは当然なのですが、そうして出た結果をメンバーが納得性をも

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          リーダーの育成方法

          マネージャーの育成業務に関する悩みの中で最も多いのが前述の「若手の育成」である一方で、最も難易度が高いとされるのは「リーダーの育成」ではないでしょうか。「リーダー制のメリット」で述べた通り、あなたの組織の規模が一定を超えたらリーダーとなるメンバーを選出するべきですが、そのリーダーがうまく機能し、あなたの組織に貢献してくれるためにも「育成」が必要なのです。 リーダー育成のゴール ここでも前記事と同様に、リーダーメンバーの「育成のゴール」から考えてみましょう。もちろん「より優

          リーダーの育成方法

          若手の育成方法

          このセクションでは、メンバーの育成方法について語りたいと思います。大きく分けて「若手の育成方法」「リーダーの育成方法」です。 まずこの記事では多くのマネジメントが頭を抱える「若手の育成方法」についてまとめたいと思います。 目指すべきゴールは「自走化」 若手社員の育成のゴールというと「業務スキルの習得」をイメージされることが多いでしょう。しかしもう少し現実に即して考えてみてください。何をもって「このメンバーは業務スキルを習得できた」「このメンバーはまだだ」と判断するのでしょ

          若手の育成方法

          アワードには全力で臨め

          アワードに対しては様々な捉え方があります。アワードをポジティブに捉えてそれを目標に業務を頑張るメンバー。自分が仕事をするのは受賞が目的じゃないといって目を向けないメンバー。それぞれ異なる立場や考え方があり、いろんなスタンスがあって良いでしょう。 しかし我々マネージャーの立場としては、「アワードには全力で挑む」ことが正しいと考えます。 アワードは自組織の全社アピールの場 メンバーは常に「自分のやっている仕事は会社にとってどんな意味があるのか」という不安を抱えています。これを

          アワードには全力で臨め

          個人成績はトラッキングして公表せよ

          オフィスを舞台にしたドラマや漫画で、個人の成績が壁に張り出されて成績の悪い主人公が上司から怒られる…という光景はベタ中のベタなシーンだと思いますが、そうやって競争原理を働かせて社員の奮起に期待するマネジメント手法はいかにも前時代的な印象を受けます。しかし、私はこれを別の目的で実行していました。それはやはり、組織マネジメントの「個人競技の団体戦」という特性を加味したうえで、ある確信に基づいて行っていたものです。 メンバーは自身の成果に疎い まずはこの認識から正しく持ちましょ

          個人成績はトラッキングして公表せよ

          会議体は組織を表す

          あなたが管理職になった時、やらなければならないと思った業務の中の第一想起は「グループ定例会の司会進行」ではないでしょうか。なぜならそれがメンバーと管理職の最も多い接点であり、メンバーが見る「マネージャーが働いている姿」の中で最も多いものになるからです。と同時に、このグループ定例会の雰囲気やメンバーの参加モチベーション、生み出す成果物はあなたのマネジメント状況を映し出す鏡となり、いまの組織の在り方を表すものとなります。 ではそんなグループ会を設計するには、どのようなことに気を付

          会議体は組織を表す

          飲みニケーション問題

          このセクションではチームマネジメントについて語ってきました。グループ内部の組織構造化=リーダー制の施行、そしてメンバーの異動・加入時のポイントを明確にしておくことで、組織のハード面はある程度見えてきたかと思います。あとはソフト面、つまりどのようにして組織を運営していくかを次のセッションで詳しく語れればと思います。 が、この記事では箸休めとして、よくマネージャーの同僚と話題になる「チームビルディングに懇親会は必要か?」という問題について考えたいと思います。あくまで私見なので、

          飲みニケーション問題

          メンバーの異動、加入

          なるべく安定して組織を運営していきたいというのはどんなマネージャーも願うことですが、組織に人事異動はつきものです。それが本人の意向によるものであっても、会社側の都合であっても、あなたがこれまで苦心して最大化させてきた「ヒト」というリソースに変動が生じることは変わりません。人事異動はマネージャーにとって最大ともいえる脅威となりえますが、その中でもコントロールできる部分、できない部分について把握しておくことで、ある程度の対策をとることができるようになります。 異動:コントロール

          メンバーの異動、加入

          リーダー制のメリット

          自組織のチームビルディングを推進していくにあたり、自身のグループをどう構造化するか?(あるいは構造化しないのか?)を考えてみましょう。 結論から言うと、グループ(部下の人数)が一定の規模を超えたらリーダー制を導入すべきです。リーダー制とは、メンバーの中でもスキルや経験値の高いメンバーをリーダーとして据え、他のメンバーからポジション上の差異を設けて異なるミッションを与えることを意味します。職務規定上の肩書きとは必ずしも連動している必要はありませんが、あなたからメンバー全員に「

          リーダー制のメリット

          中間管理職が持つリソース

          経営にはヒト、モノ、カネ、時間、情報、知的財産の6つの資源があるといわれています。中間管理職がマネジメントを執り行うにあたっても、この6つをいかに活用できるかがカギとなります。 特に中間管理職レイヤーでは活用できるリソースにも限度がありますし、企業や組織によっても変わってくるので、改めて自身が持っているリソースを再確認し、自身は何を重要視してマネジメントを行っていくのかを、ここで整理していただければと思います。 マネジメントの6つのリソース1.ヒト これは言わずもがな、あ

          中間管理職が持つリソース

          アクションプランに必要な要素

          前項までで活動計画の骨子についてはおおかた構成できたかと思います。この先は各組織ごとに必要なアクションプランを提示していく段階となりますので、個別具体でお考えいただければと思いますが、ただその中でも必要な要素はあります。 この記事は、あなたの考えたアクションプランがきちんと要件を満たしているか?というチェックシートとしてご活用いただければと思います。 具体的な行動を喚起できることまず第一に、「アクションプラン」の言葉通り、それはメンバーの行動を喚起できるものである必要があり

          アクションプランに必要な要素

          99%のパッションと1%のロジック

          メンバーのこれからの活動を喚起/変革させる活動計画とはどのようなものか?私はここまで読んでいただいている読者の50%がここで離脱することを覚悟して書きます。活動計画に絶対的に必要なのは マネージャーが夢を語ること です。 何を青臭いことを、と思われるかもしれませんし、自分にはそんな夢はないという人もいるでしょう。むしろ会社員の中では仕事に夢を持っている人のほうが少ないと思いますし、会社員にはもしかしたら必ずしも必要なものではないかもしれません。それでもあえてこう言わせてい

          99%のパッションと1%のロジック

          活動計画に全力を注げ

          ラインマネージャーに就任したらまず最初に何から取り掛かるべきか?…ということを考える間もなく、前任者からの引き継ぎや上司からの指示、あいさつ回り、管理職としてやらなければならない庶務の把握、クライアント対応、メンバー対応、etc…に追われることになると思いますが、絶対に後回しにしてはいけないものがあります。それは「この組織は何を目的に置き、何をやっていくのか」の明文化とチームへの発信です。それは「活動計画」でも「ミッション、ビジョン、バリュー」でも、名前は何でも良いでしょう。

          活動計画に全力を注げ