美しいデザインは、働く人の全てが持ち合せたいスキル
こんにちは。エンジニアのスキルシェアを推進している土江雅也です。
先日とある機械系エンジニアの方から、機械設計をする上での重視している
ポイントがあれば教えて欲しいという話がありました。
そこで今日は、私が機械設計エンジニア時代に先輩から学んだエッセンスの
一つをお伝えしたいと思います。
私が初めて、設計した物は、一つのジグでした。
とあるセンサー、φ10×60位のものですが、それを200位押し込み、そのセン
サーが壊れた場合、抜く、というシンプルなものでした。
最初は、押し込む事はできるが、抜く事ができない。
抜く事ができるようになったものの、やりにくいし、不格好。
そこで、先輩から一言
「美しさ、すなわち、自然な形、それは機能だ!わかったか!!」
その時の私の気持ちとしては、正直、「…何言ってんだ?」というものでした。
今なら、その先輩の伝えたいことが良くわかります。
要するに、先輩が私に伝えたかったことは
「美しさ、すなわち、自然な形」の設計≒デザイン
が出来ていれば、「そのジグに求められる機能も備わるし、使いやすいものに
なるんだよ!」ということです。
当時は、先輩の一言が良く理解できず思考錯誤していましたが、最終形状に
たどり着く頃には、先輩が言っていた意味を実感したことを鮮明に覚えています。
最終形状はまさに、機能と、美しさ(なんとなく、見た目が自然)が揃っていたの
です。
後に、技術職から総合職に転換し、営業、教育、そして管理系の仕事をしてきま
したが、「美しさ、すなわち、自然な形」は、実はどんな仕事や職種にも共通す
るスキルであることがわかってきました。
・資料、プレゼン
・人に伝わるか、伝わらないか
・この仕事が上手くいくか、上手くいかないか
一見関係なさそうに見える、契約書や社内の規定等も同じです。
約10000人のエンジニア、間接職社員を見てきましたが、「美しさ=機能」を持ち
合せている社員は、できる社員であることが多いです。
では、仕事における美しさをどう身につけるのか。
自分のセンスや好みはあって良いと思います。常道ですが、類似の製品や資料を、
意識してみる。人が見て「美しい」とか、「洗練されている」と評価されている
ものを意識する。また、そのどこが魅力なのか、日常意識してみること。それを、
自分の手元の仕事に意識して、「その良さを」盛り込めないか?を、じっくり考
えてみること、考えること!実はここが、意外とできない。最初はできなくて当
然です。まず意識することから始める。意識することに慣れたら、「その良さを
盛り込めないか」自分なりに試行錯誤してみる。それを習慣化する。
習慣化しているころには、自分の身になっているでしょう。