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父と娘~相続コンサルの現場~

【松本さんは、○○…というメモ】
2年が過ぎた…
相続コンサルタントの仕事を始めて
初めてのお別れだった。
当時、
訃報の連絡はお嬢様から…
コンサル中、
亡くなられたお父様とお嬢様、
お二人には
ボタンのかけ違いから、
大きな溝が出来ていた。
お嬢様から
『お話がしたいんですが…』と、
それは、ご生前、
お父様が
・何を考え
・何を喜び
・何を悩んでいたか?
それを聞きたかったと。
ご葬儀が終わり、
お父様のお部屋の整理をしていた際に、
メモが見つかったとの事。
そのメモには
「松本恵さんは、福の神」と
書いてあったんです
…と、聞かされた。
お嬢様は、
このメモから私がどんな人なのか?
そして、
埋められなかった溝を埋めたいと、
お父様が、
話していた事を教えてほしい…と、
私…
経緯(いきさつ)は伺っています。
お嬢様が、
小さい頃、
競泳が得意で頑張っていた事、
シナリオライターとして、
賞を取った事、
ご主人が、立派なお勤めの方で
娘には、もったいないけど、
仲良くやってる事が嬉しい、
旅行に行ったことは、
数え切れないほど、
特に、ハワイが思い出深かった…
お嬢様のことは、
いつも、自慢されてました。
悩んでいた事は、
認知の進行が心配の奥様の事
頼りたいけど、嫁に出したから…
お嬢様は、
『私も、松本さんと会えて良かったです。』
と…
私は何で「福の神」だったんだろうか?
今でも、わからない。
スマホの中の、
ご家族だけのご葬儀の様子、
最後の安らかなお顔を
見せて頂いた。
本当に、
自分の仕事の重みを感じた。
お嬢様の心残りだった、
親子の溝がほんの少し埋まったのか?
旅立った人の言葉を
【繋ぐ】事も、
私の仕事なんだと、
これからも、
相続コンサルタントとして
歩いて行きたい。

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