地球規模の関係づくり│NOMADOプロジェクトのビジョン
みなさん、こんにちは。
「NOMADOプロジェクト」note編集部の藤田です。
この記事では、NOMADOプロジェクトが始動した経緯や、目指す社会について、このプロジェクトを先導するクリエイティブ・ディレクターのハレ・ローランに話を聞きました。
コロナをきっかけに旅のDX化へ
―新しいプロジェクトが目指すことについて教えてください。
ハレ 「地球規模の関係づくり」です。
「ツナガル」という社名からも分かるように、わたしたちは人と人がつながることを、とても重要に思っている会社です。
自分たちの手の届く範囲にとどまらず、世界中で「人生を変える出会い」を作りたい。これを「NOMADO(=の、窓)プロジェクト」と呼んでいます。
― どのように人と人との出会いを作るのでしょうか?
ハレ 交流する人々がいる拠点に設置したスクリーン同士を、オンラインでつなぎます。
相手の世界に通じる「窓」を開放して、臨場感のあるリアルタイムコミュニケーションを可能にしています。
しかし、見知らぬ人同士を交流させるだけでは、その場限りの関係で終わってしまう。
わたしたちがお手伝いしなくても、自分たちで関係を自走させていくような、持続的な関係が築ける体験を行います。
ここで大事なのが、キュレーションです。
無数の人間がいる中で、誰と誰が、どんな場所で、何の体験をするのか。
ただ闇雲に交流してもらうのではなく、体験前に参加者の課題やニーズ、特性などを丁寧にリサーチした上で、お互いの文化や考え方を深く理解し、距離を縮められる体験テーマを決定していくのです。
― プロジェクトを立ち上げたきっかけを教えてください。
ハレ やはり一番大きなきっかけは、このコロナ禍でした。
ツナガルには、フランス、タイ、台湾、香港など、世界中から集まった旅好きのメンバーが集まっています。
こうしたメンバーが、これまで「つながり」をキーワードに、海外の人々がもっと日本を理解して、好きになってもらえるような観光PRなどをコロナ前から実施してきました。
しかしコロナで国内外の往来がいったん途絶える中、旅ができない、人と交流できない、といったもどかしい社会の中で、人とつながることの貴重さが再認識されたと思います。
旅をした時に訪れる、ワクワクするような新しい出会いを通じて、目が覚めるような経験で価値観が変わったり、自分の国の良さを実感したり……。
まさに人生を変えるような出会いが、旅の中にはたくさん転がっています。
こうした旅の中で得られる価値を、距離の制約なしに提供できないか。
コロナ禍で、そんな風に考えるようになりました。
そこで生まれたのが、デジタルインスタレーションを活用した「NOMADOプロジェクト」です。
地域の良さを守り続けるグローカルな社会づくり
― NOMADOプロジェクトを通じて、どんな社会にしていきたいですか?
ハレ グローカルな社会をつくっていきたいですね。
地球全体を一つの社会として考える「グローバル」ではなくて、それぞれの地域の良さを守りながら、地球規模の視野を持つ「グローカル」な世界こそ、多様性のある社会だと考えています。
地球80億人と関係づくりをしようとした時、距離の他にも、言語や、性別、経済状況、社会階層の違いなど、人と人をはばむ「壁」はたくさんあります。
こうした「壁」に穴をあけるため「の、窓」(NOMADO)をつくる活動を、もっともっと発展させていきます。
その結果、たくさんのローカルが、このプロジェクトを通じてつながり合う。
そんな社会を目指していきたいです。