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妄想 沖縄人類史②

土から食べ物を作ることができるようになってきた。

しかも、土から作った食べ物は採ってからしばらく置いておくことができる。

海から獲ってきたものはそれができない。
海が荒れた日が続くと、食べるものが獲れなくなって困ってしまう。

今は、土から作った食べ物があるおかげで、前よりは困らなくなってきた。

だけど、食べ物を土から作るのは難しい。

たくさん採れるときもあれば、ぜんぜん採れないときもある。
もうすぐ採れると思ったら虫や獣に先に食べられてしまうこともある。

雨が降らない日が続いてぜんぶ枯れてしまったこともある。

だから、できるだけたくさん採れるように「神さま」にお願いしなければならない。

神さまへのお願いは誰でもできるわけじゃない。だけど「その人」たちは、ちゃんと神さまに通じることばで話すことができる。

いちど、そのことばを聞いたことがあるけど、何を言っているのかまったく分からなかった。

その人によれば、土から食べものが採れるのは神さまのおかげとのことだ。

だから、まず土から採れた食べものは最初に神さまにお供えしなければならない。

そうすれば神さまは喜んで、次も食べものをたくさん実らせてくれるそうだ。

その人の言うとおりに、今日も僕らは土で採れた食べものを神さまにお供えしてもらうようにその人に預けた。

《続く》

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