好きな漫画について語っているだけのnote

大好きな漫画があった。
「きみはペット」

バリキャリで美人なのに
人に弱みを見せられない不器用な主人公は
ある日拾った男の子をペットとして飼い始める。
家族にも彼氏にもいい人ぶってしまうけれど
ペットの前だけは泣いたり笑ったり素の自分でいられる。
そんな不器用な主人公が自分と向き合い愛に気付いていくお話。

この漫画が好きだった理由はたくさんある。
バリキャリでも美人でもなかったけれど
主人公の不器用さはすごく共感できたし
ペットにしか心が開けない、という設定がすごく好きだった。
きっと、私自身がそうだったからだと思う。

漫画は断捨離によって今は手元にない。
だけど、ネットで途中まで無料配信しているのを知って
今日は夜通し読み返していた。

主人公はとても弱い人だ。
自分に自信もないし、人に甘えたり、頼ることをしない。
好きな人に嫌われるのがすごく怖い。
いつも無理をしていて必要以上に頑張る。
傷つきやすくて、未熟。
人と自分を信じる勇気がない。
誰かと対等な関係を結べるほど自己評価が高くない。
傷つくのが嫌だから棘をまとって平気なふりをする。

ペットのモモはそんな彼女を全部知っていて
何も言わず、求めず、ただただ受け止める。
何があっても自分からは離れない、
女としての体裁も、男としてのプライドも求めない、
そんなモモに主人公は救われているわけだけど
人間だったらそんな都合のいい話はないだろう。

なぜ、「何も要求せず、だけど絶対に離れない。」のか。
なぜならモモは知っているから。
彼女がそんな相手にしか弱みを見せれないと。
ペットとしての自分だけにしかできない事、
彼女のたった1つの心の居場所であること、
本当の彼女を知っている唯一の存在、という価値は、
なんの責任も負えず生きるしかなかったモモにとってもまた、
存在しているだけでいいと言ってくれる主人公や
誰かに必要とされる自分がいることに
救われていた、ということでもある。

そんな不健全極まりない2人がやがて
ペットと飼い主という関係を超えて
人同士として結ばれていくわけだけど。
まあ、それはいいとして。

やっぱり今読んでもこの2人の不健全な愛の形に
憧れている自分がいる。
私は何があっても不動なものが欲しかったのだなあ。
そして今もずっとそれを欲しがっている。
性的なものを超えて、種別的なことを超えて
絶対的に離れないと信じれるものが欲しいのだ。
でもまあ、そんな都合のいい人はいないだろうなあ。
そんなことできるの、人間では一般的な親という立場ぐらいじゃないかな。
親とか、一番離れていく存在にしか思えない私は
結局いつまでたってもペアレンツコンプレックスなわけだ。
男もいつかは離れていくとどこかでは思っている。
だけど、ペットは裏切らないからね。絶対だからね。
親、男より断然ペットの愛情の方が信じられる。
だけど自分がペットに同じだけの安心と信頼と幸せを与えられるとは思えない。
本当に根っこまで不健全だ。

この主人公とペットのように成長することができたら。。。
って思うより、私もペットがいたら。。。なんて
性懲りも無く思ってしまう私は救いようがないけれど
それはもうほっといて、

素敵な漫画なので気が向いたら読んでみてください。

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