乳がん治療 29- 口内炎 [口の中は地獄の釜] (過去ログ)
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手術後、抗がん剤AC→DHP(D:ドセタキセル, H:ハーセプチン, P: パージェタ投与、PER/HER/DTX療法とも言う)を3週間毎に4回投与の治療で、口内炎は予想をはるかに超え悪化。飲めず、喋れず、動けずの記録
口内炎:一般的には、栄養不足(ビタミンB2やB6、ミネラル等の欠乏)、外傷、ストレス、免疫力低下、ウイルス・細菌感染などが原因だけど、今回は紛れもなく抗がん剤治療の副作用で、口の中の粘膜にできる小さな潰瘍や炎症のこと。
1. ACで初登場
AC1回目の16日目(2週目)に初めて口内炎が出来るが、悪化せずに済む。
2. DHP (PER/HER/DTX療法)で悪化
【DHP 1回目 薬効かず】
◾️1週目 口の中に違和感、左の歯茎付近にポチッと小さな口内炎。
◾️2週目 口内炎が気になり、上顎と気になる粘膜に口内炎治療薬ケロナグを塗るが効果なし。物を飲み込む際、粘膜が痛むようになる。
◾️3週目 口の中の違和感は薄れていく
【DHP 2回目 2週目から悪化】
◾️1週目 さほど気になるような口内炎は出来ず
◾️2週目 ーここから酷くなっていくー
10日目:物を飲み込むのが辛くなる。
11日目:舌の口内炎が酷いことになってきて、貼り薬は効かず。
12日目:右の頬内側の口内炎が悪化。水もしみるので、口の中で水が右に行かないように顔を左に傾け、左側から物を飲み込むようにする。
物を噛むと食べた物が口の中で散らかって滲みて痛いので、左側からほぼ丸飲み。 飲む、食べるは諦めの境地、+スムーズに喋れなくなる。13日目:口内炎は舌の右裏の中央、右下奥の歯茎の辺り、他にも沢山出来てその全ての位置が確認出来ない程広がり、断食に突入。
14日目:味覚障害は治まってくるが、夕方さらに口内炎増殖。右側はほぼ死亡。 物を飲み込むのは至難の業、痛みで口を開けず喋れない事態となりQOLは最低(3回目ではもっと酷くなる・・・)
◾️3週目 口内炎は治ってくる
【DHP 3回目 飲む、喋る、口開かずで地獄 】
◾️1週目 7日目に舌がザラザラして口内炎の予兆。口内は乾ききり、ご飯などの固形物は前回と同じく水分を加えジャブジャブにしないと飲み込めず。
◾️2週目
9日目:舌の右脇と右上顎に口内炎ができる。来た!!!
10日目:当来物の台湾のパイナップルは滲みて殆ど食べられず、ボソボソした物も御法度。全ての食材は水分を足さないと飲み込めないし、その量はごく僅か。(お粥は口の中に滞留する時間が長いので無理、サラッと流し込める物のみ)痛みで喋りにくくなる。
12・13日目:左にもできた口内炎で満足に口が開かず、味覚障害も悪化、喋る事は諦めるけど口は半開き、ダラシナイ
↓
<地獄の釜2日間>
口が開けられない・・・口を開けると舌が動き、これだけで口内炎が自己主張、痛くてたまらず口を開ける事はやめる。
だからと言って死んだ貝の様に完全に口を閉ざせないのは、たまに口で呼吸する為。
口を開ける”作業”なんてこれまで無意識だったけど、痛みを極力避けるためにゆ〜っくり ゆ〜っくり・・・ああ電池切れの壊れたおもちゃか?!
咀嚼・・・舌の位置が動くだけ、ツバが口の中で動くだけで滲みるから、水を飲み込むのも ≡ハハン ムリムリ≡ 噛む、ことはもはや神業! 夢のまた夢の別世界のコト
嚥下・・・食べ物を上顎に押しつけながら舌で喉の奥に送り込む、これも至難の業でパス。
それでも空腹での投薬は悪いと、無理矢理少量の雑炊を流し込む。が、イタイ、シミル、マズイ、クツウ以外の何者でもなく口の中は地獄の釜。
口を半開きにして舌を動かさず喋らず、頭も極力動かさないように、ソファで化石化して地獄の2日間を過ごす。
◾️3週目 ようやく治ってくる
【DHP 4回目 悪化を防ぐフィルグラスチム注射が効く】
◾️1週目
投与当日、2・3回目の地獄の釜を主治医に訴え、口内炎が重症にならない様に、後日、好中球数を回復させるフィルグラスチム注射を打つ事になる。
*フィルグラスチム:最初のACで骨髄抑制の症状(高熱その他)で3日間連続で打った注射で、化学療法で減少した好中球数を回復させる効能がある。
◾️2週目
7日目、小さな口内炎に、アフタッチ口腔用貼付剤を貼るが効き目なし。その後、口が渇きザラザラし一瞬口内炎が悪化するが持ち直し、飲食可、喋る事も出来て、たった1本のフィスグラスチム注射に助けられる。
◾️3週目には口の中のザラザラは無くなる。
3. 口内炎まとめと注意
1. ACではごく軽症
2. DHP1〜3回:口内炎は投与2週目に悪化し3週目にはおさまる、を繰り返す。最後のDHPではフィルグラスチム注射で悪化せず・・・これ、早く知りたかった。ホントに。
<気を付けること>
口腔内を、歯ブラシや魚の骨グサリなどで傷をつけないように注意、口内洗浄液使用、食事は刺激が少なく柔らかい物を、と工夫が必要だけど、どんなに気を使っても、出来る時は出来る。
でもこれは一時的なもの、いずれは消え失せる
それにしても地獄の釜、ホントに。
口内炎治療薬ー今回の処方
リンデロン-VG軟膏0.12% 5g
デキサメタゾン口腔用軟膏0.1% 5g
アフタッチ口腔用貼付剤25μg
全て効かなかった・・・から塗らない貼らない選択
AC 3週間毎に4回投与
A:アドリアシン (ドキソルビシン Doxorubicin hydrochloride)
C:シクロホスファミド(エンドキサン Cyclophosphamide Hydrate)
DHP (PER/HER/DTX療法) 3週間毎に4回投与
D:ドセタキセル(Docetaxel)
H:ハーセプチン(トラスツズマブ Trastuzumab)
P:パージェタ(ペルツズマブ Pertuzumab)
<蛇足>
この頃は口内炎の他に動悸、浮腫み、足の裏の皮が剥ける、低血圧(上は70~80、下は50前後)と副作用は賑やかで、抗がん剤は回を重ねる度に、副作用の出かたが悪化すると感じたのもこの頃。
この後のHP(ハーセプチンとパージェタ)の投与では、口内炎は出なかったから、今回の真犯人はドセタキセル じゃないかと想像
個人差大の副作用は、治療終了で特別な物を除いて元に戻ると信じよう
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