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ケアマネの面白さは?

単独型居宅介護支援事業所の主任ケアマネジャー
元・医療法人系居宅介護支援事業所管理者
カイゾウ@在宅ケアマネ13年目!!

現役ケアマネ視点でケアマネ業務や介護のあれこれを定期発信しています。


ケアマネの資格を取ろうか迷っている、
ケアマネ資格は持っているけど仕事として働くには躊躇いがある方の参考になったら嬉しいです。



ケアマネの面白さは?

どーもカイゾウです。

令和5年も「ケアマネジャーを紡ぐ会」のコラム記事を書かせて頂けることになりました。嬉しい限りです。

私は今年でケアマネ歴13年目になりました。
そんな私がコラムを通して何がお伝え出来るか考えた時、13年の経験を通して感じている「リアル」だと思いました。

「ケアマネジャー(以下:ケアマネ)」と聞くと皆さんはどんなイメージをお持ちでしょうか? 「大変そう」「仕事内容の割に給料が安い」「なんでもやらなきゃいけない役割」などマイナスなイメージが先に来ませんか?

今回は、私がケアマネを13年やってみて感じている「ケアマネの面白さ」を書いていこうと思います。

「ケアマネに興味はあるけど出来ない気がする」「ケアマネって何となく大変そうだからやりたいとは思わない」なんて考えている方にも読んでいただけると嬉しいです。

では、本題まで私がケアマネをやろうと思ったきっかけから順を追って書かせていただきます。


「ケアマネ」を始めた頃

私は29歳でケアマネとして働き始めました。
それまでは訪問入浴のオペレーターと言って、運転業務や介護補助を行いながら利用者宅へ浴槽を運び入浴介助を行う介護保険サービスを行っていました。

当時はまだ若かったので、一畳分程度の浴槽も一人で持ち運べましたし、体重の重いご利用者を浴槽まで搬送するのも気合いで乗り切ることができていました。

とは言え、「介護は一生仕事にしていきたいけど、いつか身体がボロボロになるな……。その前にケアマネになりたい」と考え、最短(3年目で介護福祉士、5年目でケアマネ)で資格を取りケアマネになる為に転職をしました。

正直、訪問入浴をやっていた時に関わっていたケアマネは皆「この人達は何をしているのだろう?」と思うほどに暇そうに見えましたし、利用者との間に入って何かをして貰った記憶もありませんでした。

「これなら私にも余裕でできる」

ケアマネになり、秒速でその思いが誤りであることに気づかされるのですが……。
コミュ障の私には利用者だけではなく、医療・介護に関わる全ての関係者と連絡を取り合うだけでも一苦労。

ケアマネが何をすれば良いのか分からず……(研修だけでは理解できなかった。「ケアマネになったのは失敗だったかも……。これを長く続けることは精神的にできない」と、当時は毎日頭を抱えていました。


「ケアマネ」に成れた理由

そんな私が今もケアマネを続けているのは、当時担当させていただいた「ご利用者達」との出会いが大きいと思います。

明らかにケアマネとして実力不足の私に対しても「人として」接してくれる方が多かったです。「ケアマネ」としてではなく、一人の人として接していただく中で、「この方達の為に自分ができること」を考えた結果、ケアマネとしての知識・技術を自ら学ぶ意識に変わりました。

今となっては良い思い出ですが、ケアマネ1年目の時に自分が勤めていた病院の院長へ、ご利用者からの質問を直接投げかけに行ったこともありました。今であればそんなことは医者に依頼することではないと分かるので上手くご利用者へ説明が出来ますが、当時は分からず院長にこっぴどく怒られました。(もちろん管理者には先に相談して「怒られると思うけど行きたければいきな」と言われていました(笑)今思えば当時の管理者にも感謝です)

この時の私は「ご利用者の為に」という想いだけで動いていました。そして、その想いだけで「コミュ障の私」や「引っ込み思案の私」「怠け者の私」を乗り越える原動力になったのだと思います。

結果として幾度となく壁にぶつかりましたが、今もケアマネを続けています。


「ケアマネ」の面白さ

ケアマネの面白さの前に、ケアマネの辛さについて先にお伝えします。
皆さんのご想像に浮かぶ「辛そうだな」と思うことは全て当てはまると思います。

利用者・利用者家族・サービス事業所・医療関係など、さまざまな人の間に挟まれることもあります。ケアマネの役割を理解していない人から「ケアマネに言えば良い」と何でも連絡が来ます。時間外に連絡が来ることもあります。時に理不尽な利用者・家族に出会うこともあります。

お給料が仕事に対して割に合わない「会社」もあるでしょう。作らなければならない書類の多さに嫌気がさすこともあるでしょう。決して楽な仕事ではないことは確かです。

でもそれをもってしても、余りある「楽しさ」があると私は思います。

ご利用者とどの職種よりも時間を使って「話ができる」のがケアマネです。
さまざまな人のお話を聞き、自分とは全く異なる人の人生観に触れて、その人の生活を共に考えることができる。

出会った時は不安そうだったご利用者やそのご家族が介護サービスを利用することで生活が改善されてイキイキとした表情になったり、体調が改善して元気に歩けるようになったり、支援者との関わりの中で安心されたご様子を見た時「良かった」と思える。

この「良かった」と思える瞬間がケアマネの面白さの一つだと私は思っています。

介護を仕事にされている方はきっと優しい方が多いと思います。辛そうな人を少しでも癒してあげたいと考えているからこそ「介護」を仕事にしているのではないでしょうか?

介護を仕事にした入口は人それぞれだったとしても、きっと利用者と関わる中で得られる「良かった」という気持ちは介護を仕事にしている方であれば誰もが持っているものだと思います。

利用者の背景を深くまで知ることが出来て、その「良かった」を支援できるのがケアマネです。ケアマネやってみませんか?

私はケアマネを若い方にやって貰いたいと思っています。
「ケアマネ難民」なんて言葉が生まれるほどにケアマネは人手不足です。

合わせてケアマネの高齢化も進み、このままではケアマネは年々足りなくなるでしょう。

是非、20代・30代の若い方にケアマネをやっていただきたい。
何より私も20代からケアマネをやったことで得られたことがたくさんあるからこそお勧めしています。

お給料については環境さえ選べば必ず生活に困らないだけのものが得られると私は思います。「やりがい」と「報酬」はセットです。

どちらかに偏っていてはバランスが悪く長くは続きません。
双方が叶えられる環境が必ずあります。

だからこそケアマネやってみて欲しいです。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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