Rainbow➂【note創作大賞2024/オールカテゴリ部門】
第3章 恵み
「岩崎卓爾がね、……」突然に始まる母の講義。我が家にとっては日常の光景だが、他所の家庭の母はどうなのだろう? と、真里は稽古帰りの車中で、ハンドルを握る母を見て思った。何でものめり込む性格の母は、栄養士や食材ソムリエの資格。短歌や俳句にも、のめり込んでいた。石垣島の人・もの・こと(歴史や年中行事)には、移住したときから興味があり、あれこれ人に聞いたり本で調べたりしている。例の「思い立ったが吉日!」は、年齢関係なく健在らしい。
「ところで、岩崎卓爾って、誰?」真里