次呂久真司

沖縄・石垣島を含む八重山諸島を舞台に、小説を書いています。小説好き、本好きな人と繋がりたいです。 自著『星空の下で』発売中!(PN:つむぐ) https://www.gentosha-book.com/products/9784344940659/

次呂久真司

沖縄・石垣島を含む八重山諸島を舞台に、小説を書いています。小説好き、本好きな人と繋がりたいです。 自著『星空の下で』発売中!(PN:つむぐ) https://www.gentosha-book.com/products/9784344940659/

マガジン

  • 逆時の住人

    児童文学を書いてみました。「面白いな」「続きが気になる」などあれば、「スキ」や「コメント」をしていただけると大変嬉しいです!よろしくお願いします。

  • Rinbow

    現在、プロットなしで執筆中! 作者自身も1話書き終わる毎に、次のストーリー展開が分かるという。キャラクター任せの展開です。どんな終わりになるのか、作者自身も楽しみです! 一緒に伴走していただけたら嬉しいです。コメントやスキも、これからの励みになります! よろしくお願いします。

最近の記事

クラウドファンディング挑戦中

2024年11月18日(月)からクラウドファンディング挑戦が始まりました。目標金額は、50万です。 石垣島の魅力を小説で世界に伝えたい。 八重山の子どもたちに、夢を与えたい。 皆様の応援・支援をお願いします。

    • クラウドファンディング挑戦中

      自身2作目となる小説『比類なき星たち』の出版応援プロジェクトの一環で、クラウドファンディングに挑戦しています。挑戦期間や見どころは、以下の通りです。 1.期間 2024年11月18日(月)、11時からスタート 2024年12月31日(火)まで。 2.見どころ 小説の舞台は、石垣島。22歳の男女が42歳になるまでの人生を切り取り描いています。彼らの人生に、読者の皆様は何を思うのでしょう。作者としては、感想も楽しみです。 https://camp-fire.jp/proje

      • 🌟 小説「比類なき星たち」出版企画 🌟

        こんにちは、沖縄県石垣島在住の作家、次呂久真司です。 この度、第2作目となる小説「比類なき星たち」の出版に向けて、クラウドファンディングを実施します。 📖 物語について「比類なき星たち」は、芸術と人生の交差点に立つ人々の物語です。絵画と詩に魅せられた男女の運命的な出会いと別れ、そして再会を通じて、人生の選択と芸術の力を描きます。 舞台:八重山諸島、東京、フランス テーマ:愛、芸術、運命、そして人生の選択 🎨 物語の特徴沖縄の美しい自然と文化を背景にした情景描写 人生

        • Bar Serendipity

          あらすじ 「Bar Serendipity」のマスター古田洋介は、弁護士の上原里胡と出逢い系コンサルタント村山蒼と共に、DVに苦しむ佐藤夫妻の救済に挑む。彼らの努力を通じて、愛と再生、新たな一歩を描く物語。 1 上原里胡 「いいえ、こちらが譲歩することは決してありません。全ての条件を了承していただけないのなら、次は人権を侵されたと主張してもいいですよ。さらに上の裁判所で話しを進めることも、こちらとしては考えております」   上原里胡は、感情を表に出すことなく冷たい視線を

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        • 逆時の住人
          7本
        • Rinbow
          40本

        記事

          Rainbow⑩【note創作大賞2024/オールカテゴリ部門】

          おまけ  12月某日。今日の空は、石垣子ども劇団の公演会を心待ちにしていたように晴れ渡っていた。 「改新 オヤケアカハチ」と銘打って、ストーリーの格子は変えずに、脚本から演出までを子どもたちだけで作り上げた。歌あり踊りあり笑いありのステージとなっている。  石垣島ドラァグクイーンショーが終わった後、子ども劇団は琴美をリーダーに結束を強め、気持ちを新たにスタートした。  それぞれの特技や得意を生かして、みんなで案を持ち寄り何度も話し合いながら、一つの舞台を作り上げた。  真里は

          Rainbow⑩【note創作大賞2024/オールカテゴリ部門】

          Rainbow⑨【note創作大賞2024/オールカテゴリ部門】

          第9章 帰る場所  石垣島ドラァグクイーンショーの翌朝から、それぞれが帰路に着き始めた。エリーシャと真里と千夏は、ドラァグクイーンたちを見送りに空港へと行った。みんなはエリーシャの引退を惜しみながらも、治療に専念してまた元気な姿を見せてほしいと伝えていた。  エリーシャと咲人が帰る少し前の日。旧盆があり、白保村で伝統の獅子舞が行われた。獅子に噛まれると邪気が祓われるからと、千夏は嫌がるエリーシャの頭を何度も獅子に噛ませていた。あのときは、みんなで腹がよじれるくらい笑った。  

          Rainbow⑨【note創作大賞2024/オールカテゴリ部門】

          Rainbow⑧【note創作大賞2024/オールカテゴリ部門】

          第8章 熱帯夜  八月某日、カンカン照りに空は晴れ、熱中症予防のため会場全体にミストが設置された。  午後一時から開催される石垣島ドラァグクイーンショーに向け、各サブステージやメインステージでは最終確認が行われていた。五千枚の前売り券は既に完売しており、当日券を求めてホテルの外壁沿いに長蛇の列を作っていた。  そんな中、咲人はトラブルの渦中にいた。開始まであと二時間を切っていた。 「ジャスミンが来ないのは、昨日あなたが『本当にブスね』とか言うから傷ついて来られないんじゃない?

          Rainbow⑧【note創作大賞2024/オールカテゴリ部門】

          Rainbow⑦【note創作大賞2024/オールカテゴリ部門】

          第7章 月光  「光」――エリーシャから真里に出されたテーマだ。  ドラァグクイーンショーを三日前にして、ショーの会場となるフサキリゾートホテルのライブ会場で真里の試験が行われた。  真里は与えられたテーマに沿ってダンスの大まかな構成を組んだ。舞台上はまだ明るいが、暗闇に差す一筋の光を真里は想像した。その光に縋るように地を這い、手を伸ばし僅かな光を掴もうとする姿を、真里はエリーシャの前で表現した。  ダンスが終わると、エリーシャは真里に大きな拍手を送った。 「合格よ。この短期

          Rainbow⑦【note創作大賞2024/オールカテゴリ部門】

          Rainbow⑥【note創作大賞2024/オールカテゴリ部門】

          第6章 渇望  白保海岸に、朝陽が昇り水平線から光が溢れ出す。遠くから聞こえてくる漁船のエンジン音。寄せては返す波音や樹々の葉を震わせる風の音葉音。磯の香りと髪から香るシャンプーの匂いが重なり、鼻腔をくすぐる。  二つの影が、寄り添うように浜辺を歩いている。 「お母さん、私ね。高校を卒業したら、ダンスの道に進もうと思う。咲人さんのダンスを見たとき、『この人のダンス、なんて美しいんだろう』って思った。私もあんな風に踊りたい。……練習中も、試験中もずっとそればかり考えてた。だから

          Rainbow⑥【note創作大賞2024/オールカテゴリ部門】

          Rainbow➄【note創作大賞2024/オールカテゴリ部門】

          第5章 選考合宿  ショーを三週間前にして、選考合宿が開かれた。  ドラァグクイーンショーは、規模によってプログラムのバリエーションを構成している。小規模から中規模のショーならば、本格的な口パクで歌うリップシンクショーや観客を笑顔に包むコミカルなライブショーなどが一般的だ。しかし、今回は大規模なショーを企画している。  エリーシャは、自身も出演しながらもショー全体の演出をこなすことで有名だ。演劇やコンサートスタイルのパフォーマンスを組み合わせて一貫したストーリーラインのプログ

          Rainbow➄【note創作大賞2024/オールカテゴリ部門】

          Rainbow➃【note創作大賞2024/オールカテゴリ部門】

          第4章 旋風  「汝の道を進め、そして人々をして語るにまかせよ」ダンテの言葉を借りていうならば、朋樹ではなく、エリーシャはそういう生き方を人生の指針として、身寄りのないアメリカの地に足を踏み入れた。  朋樹、十八の春だった。  悪い知らせは、前触れもなく突然訪れた。高校二年の夏。バレエ合宿中のことだった。午前の練習をしていると、突然コーチに呼ばれた。 「朋樹、すぐに来てくれ!」  いつになく真剣なコーチの声に、朋樹は事の重大さを察した。  ――家族に何かあったのかもしれない

          Rainbow➃【note創作大賞2024/オールカテゴリ部門】

          Rainbow➂【note創作大賞2024/オールカテゴリ部門】

          第3章 恵み 「岩崎卓爾がね、……」突然に始まる母の講義。我が家にとっては日常の光景だが、他所の家庭の母はどうなのだろう? と、真里は稽古帰りの車中で、ハンドルを握る母を見て思った。何でものめり込む性格の母は、栄養士や食材ソムリエの資格。短歌や俳句にも、のめり込んでいた。石垣島の人・もの・こと(歴史や年中行事)には、移住したときから興味があり、あれこれ人に聞いたり本で調べたりしている。例の「思い立ったが吉日!」は、年齢関係なく健在らしい。 「ところで、岩崎卓爾って、誰?」真里

          Rainbow➂【note創作大賞2024/オールカテゴリ部門】

          Rainbow➁【創作大賞2024/オールカテゴリ部門】

          第2章 不協和音  四月になり、石垣島の商業高校の三年生になった真里は、漠然とした夢を持っていた。それは、この年頃にはよくありがちなことだ。得意なダンスを生かして、エンターテインメントパークのキャストをしたい。とか、テレビなどに出演できるバックダンサーになりたい。とか。希望や夢が先行して頭の中を巡り、現実や挫折は後からどうにでも対処できる。と、鷹を括っている節がある。それが「若さ」だと言えば、その通りなのだ。しかし、真里に限っては、自身の内面に「漠然」が染みついているため、

          Rainbow➁【創作大賞2024/オールカテゴリ部門】

          Rainbow 【創作大賞2024/オールカテゴリ部門】

          あらすじ  カリフォルニアにあるBarでは、ドラァグクイーン女王エリーシャが今夜のステージに立つ。彼女のパフォーマンスに会場は熱狂し、誰もがその美しさと歌声に魅了される。一方、石垣島の高校生新城真里はダンスに情熱を注ぐ日々を送っているが漠然とした未来に不安を抱えていた。母親の千夏は、真里の将来を案じつつ自らの過去を語り始める。母娘の絆と夢に向かう勇気が描かれた物語。 第1章 オープニング 第2章  不協和音 第3章 恵み 第4章 旋風 第5章 選考合宿 第6章 

          Rainbow 【創作大賞2024/オールカテゴリ部門】

          Rainbow➀【創作大賞2024/オールカテゴリ部門】

          あらすじ  カリフォルニアにあるBarでは、ドラァグクイーンの女王エリーシャが今夜のステージに立つ。彼女のパフォーマンスに会場は熱狂し、誰もがその美しさと歌声に魅了される。一方、石垣島の高校生新城真里は、ダンスに情熱を注ぐ日々を送っているが、漠然とした未来に不安を抱えていた。ある日、真里は海岸で見知らぬ男に出会い、恐怖を感じる。母親の千夏は、真里の将来を案じつつ、自らの過去を語り始める。母娘の絆と夢に向かう勇気が描かれた物語。 第1章 オープニング  Barは微細な光に

          Rainbow➀【創作大賞2024/オールカテゴリ部門】

          逆時の住人(7)

           「ふぁ」大きな口を開けて貴音は電車の中で欠伸をした。 「何だよ、昨日は寝られなかったのか? さっきから何回目の欠伸だよ」隣に座る洋平が心配した顔で貴音を見た。 「ごめん。気になることがあって、昨日は書斎で朝まで調べものしてたの」  貴音と洋平は、電車で祖父の研究仲間であり物理学者の識名学教授がいる大学に向かっていた。彼は祖父亡き後、日本でのワームホール研究者の筆頭であり現在は大学で研究の傍ら、次世代の後継者を育成するために若手を指導している。と大学のホームページで見たことを

          逆時の住人(7)