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忘れっぽいTOPのせいで苦労するスタッフ

ある日スタッフが
「うちからPDFでもらった図面のCADデータをくれと言われたので、送ろうとしたらフォルダ名が『渡す前に高橋に相談の事』ってなっているんですけど」と言ってきた。

「そうそう、そんな名前つけた・・・なんでだっけ?」図面を見ながら2人で思い出した。

この1年くらい前、S事務所に病院の調査の仕事の話がきたのだが、やったことがないのでとうちに相談にきた。やり方を説明し、クライアントとの打ち合わせも同席し契約まで付き合った。(ここまでの報酬料はなし)

その後、調査も手伝って欲しいということだったので、見積もりとともに事前にしておいた方がよい作業をメールで送り、資料だけではわからないだろうと思い、事務所に出向いて説明することにした。

約束の時間より少し早めにS事務所へ着くと、その調査ができるK事務所がいた。机の上を見ると私が送った資料や見積書が広げてある。

そうだ!この人はこういうやり方をする人だった。と思いだした。
他から上手いこと資料を手に入れ利用したり、わざとバッティングさせ競合相手がいることを匂わせて、値段交渉の材料にしたりする。

説明する必要はないなと思ったので、持って行った資料を
「ご参考にどうぞ」とだけ言って帰ってきた。

その後S事務所から
「やるの?やらないの?他に頼む都合があるのだけど!」と強い口調で連絡がきた。別にこちらから頼んだことではない。
「ほかに手があるのでしたら良かったじゃないですか」とやんわりお断りした。

しばらくして
「いや~そちらに頼みたいのだけど…」と今度は下手に連絡が来た。

この電話の少し前に、その場にいたK事務所が状況を察したのか
「ウチではその値段でできないと言っておいてあげたからね」と連絡が来ていた。不服だがK事務所の配慮も考えてお受けすることにした。

とはいえ仕事はきちんとしたい。
先に作成しておいた方がいい図面について説明したが
「報告書には図面つけなくていいんでしょう?」と不要だと言ってくる。

確かに検査機関の報告書には必要ない。けれども調査を効率よくするためにも断然あった方がいい。

何度説明しても「いらない」と頑ななので作成しないことにした。そして見積りにも作成は別途の旨を記載し費用を計上しなかった。

それでもクライアントには報告書だけではわかりづらい。
わかりやすくしなければ調査の本来の目的が果たせない。
なので、うちの判断で図面を作成し、PDFだけ渡すことにした。

それを忘れてはいけないとあんな変なフォルダ名を付けたのだ。

そしてS事務所はそのデータをくれと言ってきたのだ。
「図面作成は見積りにも別途としてありますので」と追加見積書を送ったら「別に大した図面じゃないからいらないよ」ときた。

「もうSとは今後一切付き合わない!」と事務所で叫んだら
「前もそれ言ってましたよ」とスタッフが言った。

そうだ、この事務所には過去にこういう仕打ちを何度もされていたのだ。
そして私は忘れて何度も同じ過ちを繰り返す。

忘れっぽい私のせいで大変な思いをするのはスタッフ。みんな、ゴメンよ。

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たかはしあやこ/㈱つむぐ設計 代表取締役
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