あと10歳若かったら
「この年でもチャレンジできるんだって思えたよ」
シェアキッチンのオープニングセレモニーで同世代の方に言われました。「この年」と言われちゃう私、そうでした50代でした。
「やりたいことに挑戦するのに年齢は関係ない」なんて、いかにも年寄りっぽいこと言いたくないのですが、人の話を聞くことが増えたここ最近、やりたいのに『できない理由』で「あと10年若かったら」という言葉をがよく耳にするので、つい言ってしまいそうになります。
具体的に聞いた話を出すわけにはいかないので、例えば「英会話を学びたい」で例えると
例1 30歳:「記憶力も悪くなってきた今からはじめてもどうせ出来るようにならない。10年前だったらやっていたんだけど」
例2 20歳:「今から英会話初めてもネイティブレベルにはならないから無駄。10年若かったら違っていたと思うけど」
「できるかどうかわからない、けれどやってみたいからやる」
「やってみたいけれどできないだろう、だからやらない」どちらの選択もご自身の自由だと思います。
ただやらないでいたら10年後にもまた「あと10年若かったら」と言いそうですけどね。
私が事業を開始して間もない頃にお会いした同業の大先輩。その人はこういう呼ばれ方すると多分嫌がるだろうけれど、心の中で「大先生」と呼ばせていただいている方がいます。その大先生は私の年を聞いたあと「50歳になったら自信持って、良い仕事がもっと沢山出来るようになるよ」と言いました。
後に建築の専門学校に行ったとはいえ建築じゃない学部出身。
現場4年と設計3年、その間に1級建築士は取得した。
そしてフリーランスに近い形で働いた30代、沢山仕事したけど作品らしいものを残したわけでもない。
正統な建築家の道を歩んできたわけではない。
建築を通じでやりたいことがあるけどうまく言葉で表現できない。
そのまま40歳で事業化はしたけど、体力、記憶力はだんだんこれまでのようではなくなるだろう。
私にそんな未来があるのだろうか?とその時は思いました。
それでも「フワっと」しているやりたいことを沢山の方の助けを得て少しずつ見える形にして、その思いに沿って仕事をしてきたこの10年の経験を経てからこそ事業展開という形につなげられたと思っています。
「この年で」ではなく「この年だからできた」のだと思います。
そう言っても「運が良かったんだよ」「その仕事だからだよ」とか言われますけどね。
これもこの先どうなるかわからないけれど、「やればよかった」とあとで思うよりはましかな?と思っています。