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【ランキング】2024年人気TOP10 - 食品編
前回のキッチン道具編に続いて、2024年に最も選ばれた食品のランキングTOP10を発表したいと思います。
(徐々に商品数も増えてきていることから、今年はキッチン用品と食品はそれぞれ独立したランキングにしています。)
では早速1位から順に発表していきたいと思います。まぁ、とにかく大久保醸造店強し。商品自体のしっかりとした力ゆえに、とにかくどの商品もリピート率が群を抜いて高いので納得の結果だと思います。ちなみに2024年は後半から食品のお取り扱いを増やしましたので、2025年のランキングはまた景色が変わるかもしれませんね。
では1位からまいりましょう!
第1位 美しが原味噌(米味噌)/大久保醸造店
特にオンラインでは圧倒的に皆様にお選びいただき、見事2024年の食品部門第1位となったのが長野県松本市の醤油・味噌の名店大久保醸造店の美しが原味噌(ちなみに、1位〜6位まで全て大久保醸造店が独占となりました)。
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当店でお取り扱いしている3種類の味噌のうち、最もマイルドで日常使いに取り入れやすいお味噌が美しが原味噌です。ほんのりとした甘味を感じるお味噌ですが、米麹を増やして甘くしたお味噌とは違って土台となる旨みがしっかりとしているからマイルドでありながらもしっかりとお料理の芯となってくれるお味噌です。
初めて大久保さんとお話しした時に大久保さんがおっしゃっていたのは「うちの味噌で味噌汁を作ると、味噌が底に沈まずにフワーッと椀の中を舞っている」ということでした。これは大豆のタンパク質がしっかりとアミノ酸まで分解されて旨みが出ている証拠。お味噌汁を作った時にぜひ見てみてください。
なお、大久保醸造店については別の読み物で特集もしていますので、より詳しく知りたい方はそちらもぜひご覧ください↓↓
第2位 琥珀だし(万能だしつゆ)/大久保醸造店
2位はその名の通りとにかく万能な琥珀だし(万能だしつゆ)がランクインしました。いわゆる「白だし」のようにお使いいただくだしです。
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我が家では使わない日はありません。おでんのつゆや煮物といった和食だけでなく、例えばアヒージョなんかも琥珀だしをちょっと加えると旨みのある日本人好みの味に仕上げてくれます。ちなみにこのアヒージョのアイディアはお客様に教えていただいたのですが、我が家でもすっかりハマってしまいました。
我が家では、スーパーで売っている「霜降りひらたけ」というきのことエビ、そしてジャガイモを入れたアヒージョが定番です。簡単なのでぜひ試してみてください!
<分量(2人〜3人分)>
霜降りひらたけ 1株
むきエビ 10尾ほど
ジャガイモ(中くらい)1個
にんにく 2片
ミニトマト 5個
オリーブオイル 50ml*
琥珀だし 大さじ1.5
塩 少々
鍋に油(菜種油・オリーブ油)を入れ*、1片を4等分くらいに切ったにんにくを入れます。お好みで鷹の爪を加えてもいいです。弱火にかけて香りが立ってきたら、1.5cm幅くらいに切ったじゃがいも(事前に水にさらしてから水を切る)を入れます。
*油の量は鍋の大きさによって変わりますが、具がヒタヒタになるくらいです。油の種類はお好みで。
5分ほどぐつぐつしてから手で割いた霜降りひらたけを鍋に加え、全体に火が通った頃にむきエビを入れ、少ししてからミニトマトを入れます(トマトが結構いい活躍をします)。火加減は常時弱火でじっくり加熱します。
エビが固くならないように気をつけながら、琥珀だしと塩で味を整えて完成。
簡単で美味しいおすすめのレシピです。
琥珀だしの美味しさの秘密は、ベースとなる醤油の旨さは当然なのですが、高知や鹿児島の信頼できる作り手から厳選して直接仕入れた宗田節や本枯節、鯖節といった原材料までこだわり抜いているから。どの部分にも決して手を抜かない大久保醸造店らしい商品です。
上ので紹介したレシピに我が家で使用しているなたね油はこちらです↓
我が家ではアヒージョは味わい鍋でつくります。熱がしっかりと伝わって美味しく仕上がります↓
第3位 万葉乃里(玄米味噌)/大久保醸造店
二夏以上寝かせた長期熟成の玄米味噌です。第1位でご紹介した美しが原味噌と比べると色も濃いのが分かります。これは長期間熟成した証です。
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長期間寝かせることで旨みがぎゅっと凝縮し、より深みのある味わいに仕上がっています。シンプルにキュウリに付けて食べていただくと、この味噌の力がよくお分かりいただけます。
また、なす味噌炒めや麻婆豆腐といったお料理にもおすすめです。コクと旨みがしっかりなので豆豉醤などを使わなくても十分深みが出ます。
「醸造は時間の味」とお会いするたびに口にされている大久保さんですから、長期熟成の商品はやはり大久保醸造店の真骨頂。大久保醸造店の蔵にお邪魔するとその清潔さにまずは驚かされます。蔵内の環境をとにかく徹底して整え、余分な雑菌の繁殖を抑えながらも有用な菌(麹菌)の働きを最大限発揮するための努力は頭が下がります。その環境の中でじっくりじっくりと醸し出された旨味をお楽しみください。
なお、今回はランクインしませんでしたが、昨年の暮れから新しく「信州田舎みそ」のお取り扱いも始まりました。こちらは麦味噌。色合いも味わいも美しが原味噌と万葉乃里の間くらいのバランスの取れたお味噌です。合わせてお試しください。
第4位 紫大尽(淡口醤油)/大久保醸造店
まだまだ大久保醸造店が続きます。
うす口醤油は関東ではあまり馴染みがないのではないかと思ったのですが、実際には関東のお客様がかなり多くご購入下さっています。
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うす口というと塩辛いというイメージをお持ちの方も多いと思いますが、そこはやはり大久保醸造店のことですから旨みがしっかりです。
このお醤油の実力を手っ取り早く分かっていただくおすすめレシピは「簡単出汁茶漬け」です。白いご飯にかつお節を乗せ、そこに紫大尽を一回ししてからお湯をかければ簡単おいしい出汁茶漬けの出来上がり。
余談ですが、白いご飯にお醤油を垂らして食べるとお醤油の美味しさがよくわかります。お醤油の実力判定に一度お試しください。
お料理にあまり色をつけたくない時など、美味しいうす口醤油が一つあるととても助かります。また、冷奴や白身の淡白なお刺身なら紫大尽がよく合います。
第5位 紫歌仙(濃口醤油)/大久保醸造店
大久保醸造店の濃口醤油です。お料理にもお刺身用にも幅広くお使いいただけるので、店頭でどのお醤油か悩まれるお客様にはまず紫歌仙をおすすめしています。
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通常の濃口醤油は半年から長くても2年熟成が一般的ですが、大久保醸造店の紫歌仙はなんと3年熟成。角の取れたまろやかな塩味はまさに時間の成せる技。お料理からお刺身まだオールマイティーに我が家でも一番活躍するお醤油です。
紫歌仙が搾られるのは年に1回だけ。今年の分が完売するとまた来年のお楽しみとなります。
ちなみに、紫歌仙の「歌仙」は藤原公任(昨年の「光る君へ」にも登場していましたね)の撰による三十六歌仙から取られています。
三十六歌仙は、ご存知の方も多いと思いますが、柿本人麻呂、小野小町、在原業平などに代表される平安時代の歌人36人を選んだものです。
大久保醸造店の大久保さんのお話を伺っているとこの辺りのお話が沢山出てきます。
有名な佐竹本(秋田藩主の佐竹家に伝わってきた三十六歌仙絵巻)のお話など、その歴史的な経緯や価値などを話し始めると止まらないといった具合にお好きなのです。
第6位 マイボトルのためにつくったブレンドティ/tretre(トレトレ)
大久保醸造店の牙城を崩して一角に入り込んだのは高知県の仁淀川町でつみ草ブレンドティを作るトレトレのお茶です。通常のつみ草のお茶の場合0.01gの単位でブレンドするというトレトレ。
そのトレトレらしいクオリティはそのままに、もう少し日常の中でたくさん飲んでもらいたいシリーズが「マイボトルのためにつくったブレンドティ」です。ボトルに入れっぱなしでも渋くなりにくく、お湯を継ぎ足し継ぎ足ししても薄くなりにくいように工夫してブレンドされたお茶のシリーズです。
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「ほうじ茶」「緑茶」そして昨年下旬に新しく加わった「ノンカフェイン」の3種類。
1番人気はほうじ茶。我が家でもほうじ茶を一番いただいています。本当に何煎目でもしっかりと味や香りを楽しめますし、しばらく放っておいても渋くなりにくいです。もちろん最初の頃と、何煎か入れてからでは味わいも徐々に変化してきます。そのあたりを楽しむのもおすすめです。
オフィスでのデスクワークの方などは、保温マグなどにティーバッグを入れて休憩時間に給湯室でお湯を足してお召し上がりいただくというのもいいと思います。
第7位 甘露醤油(再仕込醤油)/大久保醸造店
店頭で商品名をご覧になったお客様から「甘いお醤油ですか?」という質問をよくいただきます。
甘露醤油は甘いお醤油ではありません。
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こちらの醤油は「再仕込(さいしこみ)」と呼ばれる製法で作られています。通常お醤油を作るときには蒸した大豆と炒った小麦に麹菌をつけて麹を作り、その麹を塩水に加えて諸味にして熟成していきます。ですが、再仕込の場合は塩水を使う代わりに醤油を使うのです。
醤油を醤油で仕込むわけです。単純に考えても通常の倍の量の原料が必要になることがわかります。そうしてじっくりと熟成された甘露醤油は兎にも角にもコクと旨みがギュッと凝縮しています。
お料理に使うというよりは、しっかりと脂の乗った赤身のお刺身などに合わせたいお醤油です。お料理の場合は、旨みがしっかりですから、例えば麻婆豆腐などの隠し味としてお使いいただくのがおすすめです。
第8位 平右衛門(再仕込)/鈴木醤油店
大久保醸造店のお醤油が続きましたが、こちらは福島県の天栄村という小さな村にあるお醤油蔵「鈴木醤油店」のお醤油です。
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大久保醸造店の「甘露醤油」と同じ、お醤油を使って仕込んだお醤油「再仕込醤油」です。甘露醤油との味比べをされる方も多くいらっしゃいます。
実は先ほど「白いご飯にかけて味わうとお醤油のおいしさがわかる」と書きましたが、実はこれ鈴木醤油店の鈴木さんに教えていただいたことです。鈴木さんに初めてお会いした時に「この再仕込醤油はぜひ白いご飯に垂らして味わってみてください」とすすめられました。よっぽど自信がなければすすめられない食べ方です。それだけ醤油の実力がわかる食べ方です。
鈴木醤油店はご家族4人だけで営む本当に小さな醤油蔵です。大豆を蒸し、小麦を炒るところから始まって全ての工程を昔ながらの手作業で行なっています。
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この蔵を引きつぐ6代目良浩さんご夫婦は、この伝統をしっかりと引き継ぎながら小ロット生産ならではの特色を生かすべく、小規模で無農薬・有機栽培を行う農家さんと手を組むなどの新しい取り組みも始められています。
これからがとても楽しみな作り手です。
第9位 国産大麦グラノーラ 信州産林檎&シナモン/ぐらんふぁーむ
長野県千曲市で国産大麦を使ったグラノーラをつくる「ぐらんふぁーむ」の代表作です。
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やはり長野県といえばりんごやぶどうといった果物が豊富です。こちらのグラノーラはその信州産の果物をとても贅沢に使用しています。写真をご覧いただいてもお分かりの通りりんごもゴロゴロ、そしてぶどうは驚きの大きさで入っています。というのもぐらんふぁーむではレーズンのような小さなぶどうではなく、長野県産のクイーンニーナやナガノパープル、そして巨峰といった大きな葡萄を惜しげもなく使っているのです。
そして全ての果物をその水分量や糖度に合わせてそれぞれ乾燥のさせ方を変えながら、美味しさがギュッと凝縮するようにドライフルーツにしています。美味しくないわけがないのです。
大麦は食物繊維が豊富で腸内環境をしっかり整えてくれます。でも「せっかく体に良くても毎日続けられなくては意味がない」というのがぐらんふぁーむの阿部さんの信条。そしてその続けるための秘訣は「美味しさ」なのです。だからぐらんふぁーむは美味しい商品に並並ならぬこだわりをもっています。
第10位 国産大麦グラノーラ 信州産葡萄&メープル/ぐらんふぁーむ
第9位に続いてランクインしたのがぐらんふぁーむの「葡萄&メープル」。先ほどのりんごのグラノーラにも葡萄は入っていますが、こちらはもうこれでもかというくらい大きなぶどうがたくさん。
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ちなみに我が家ではぶどうがあまりにも大きいので、キッチンバサミで切って食べているくらいです。
スーパーなどでよく見かけるグラノーラであれば、たくさんのお砂糖やソルビトールのような甘味料、酸化防止剤やら乳化剤やら色々なものが入っているものがほとんどだと思います。
一方、ぐらんふぁーむのグラノーラは
大麦(国産)・メープルシロップ・アーモンド・菜種油・ドライ葡萄(長野県産)・きび糖・落花生(国産)・大豆(国産/遺伝子組換でない)・レモン果汁・食塩・香辛料
以上。です。
要するに誤魔化す余地がありません。
信頼できる生産者から仕入れた原料を、余計なものを加えず、素材の味わいをしっかりと引き出した安心で美味しい、そして体に優しいグラノーラです。
いかがでしたか?
とにかく大久保醸造店が強いです。大久保醸造店の強さは、徹底した旨味へのこだわりだと思います。本当の旨みとは何か?それを教えてくれる作り手です。最近の食品は甘くして「うまい」と感じさせる商品が多すぎるということについて常に警鐘を鳴らす大久保さん。本当の旨味というのは時間をかけないと得られないもの。そのことがお買い求めいただいたお客様にもしっかりと伝わっているのだということがよく分かります。
紡ぎ舎では2024年後半から食品のお取り扱いを増やしています。この点についてはまた時間を割いて皆様にもご説明差し上げたいと思います。