⓾子育ては恩送り/会えないほどに沁みゆく心と芽吹く種
第3章【子育てと私。ほぼほぼタロジロ】
タロジロへの子育てラブレターです。
会えない時間を思慮深さにかえゆくタロジロ。
降りかかるすべてを呑み込んで大きくなれ。
産んでからずっとタロジロを愛させてくれてありがとう。
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2017年マレーシア。
タロジロはインターナショナルスクールへ。
8歳タロウはすましてドキドキ。
4歳ジロウはすなおにノリノリ。
多国籍のランチブッフェ。
教科ごとに変わる教室。
お祈りするお部屋。
聞き取れない英語。
さっぱりわからんマレー語。
優しいお友達。
タロウは目を回して帰宅する。
ジロウは大興奮して帰宅する。
何もしてないくせにお母ちゃんはやたら緊張。
私の決断は大丈夫なんだろうか。
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2021年9月。
5か月ぶりの再会日。
2学期の転校生について12歳タロウが話す。
同じクラスの転校生。
隣のクラスの転校生。
新たな個性がタロウの環境を掻き混ぜる。
タロウなりに見つめる転校生への課題。
お母ちゃんにつらつらと現状を溢れさす。
隣のクラスの転校生はフィリピンから。
タロジロがひと月滞在した国だ。
インターじゃないけど学校にも通った。
左手の蒲焼さんが減らないタロウ。
転校生はまだ日本語を使えないらしい。
タロウは東南アジアでの学校生活を振り返る。
迎えてもらえる喜び。
流暢に交わせない会話。
寄り添ってもらえる笑顔。
常識が非常識となった世界。
タロウと日本についての興味。
たくさん助けてもらった異国での日常。
転校生はまるで8歳の自分。
体験から想像力を働かせるタロウ。
とめどなく話す声が弾みまくる。
最高しかない。
恥ずかしがり屋を休ませて一歩踏み出せ。
今が恩送りのときや。
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2021年9月末。
8歳ジロウが後部座席にささっと乗り込む。
2-3分密会では物足りないらしい。
なんだかポジティブに様子がおかしい。
ジロウが目を光らせてお母ちゃんに尋ねる。
「ピンクのチケットいとこちゃんからもらった?」
お母ちゃんにはまだ届いていない。
ジロウが興奮気味に続ける。
運動会見るのにチケットいるねん。
ひとり一枚しかもらえへんだけど、
先生に頼んでもう一枚もろてん。
「僕のお家はふたつあるから」って言うた。
お母ちゃん来るってジロウ思ったから。
秋の日に季節外れのひまわり笑顔。
私は息をのんだ。
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子育ての種は未来で芽吹くんだ。
大丈夫。
すてきな未来が今やってきている。
息のむお母ちゃんは目からポロポロまた雫。
汗だくのジロウの笑みが増す。
「また泣く~。どんだけうれしいねん!」
そらうれしいがな。
タロジロの成長に息づく「お母ちゃん」。
これ以上のアクノリッジメントがあるのだろうか。
体育祭に運動会。
キョロキョロしまくるタロウとジロウ。
お母ちゃんはちゃんといます。
あなたたちが私を存在させているんだから。
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ーーーー⑪につづくー
まどか生息のFB編⓾ 2021.10.04投稿
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▼タロジロラブレター第1章【タロジロと私。ときどきお父ちゃん】音声版
▼ギフト絵本「ルイスサンタ~ひまわりの約束~」個展
2021年11月19日〜12月25日