過去と未来が繋ぐ愛:戦争が生んだ絆と時を越えた約束【小説紹介】
今回紹介したい小説は、私にとって物語以上のものです🕊𓈒𓏸︎︎︎︎
遠い昔の話ではなく、今もどこかで起きている現実の一片を垣間見たような気がしてならないのです。
”戦争”の記憶は、決して過去のものではありません。これらの小説が描く世界は、私たちが忘れてはならない現実です。歴史の影に埋もれてしまわないように、もう一度私たちに思い出させてくれる作品です。
著書🧸𓈒 𓂂𓏸
『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』
著者:汐見夏衛
出版社:スターツ出版
発売日:2016年7月28日
あらすじ:親や学校、全てにイライラした毎日を送る中2の百合。母親とケンカをして家を飛び出し、目を覚ますとそこは70年前、戦時中の日本だった。偶然通りかかった彰に助けられ、彼と過ごす日々の中、百合は彰の誠実さと優しさに惹かれていく。しかし、彼は特攻隊員で、ほどなく命を懸けて戦地に飛び立つ運命だった。のちに百合は、期せずして彰の本当の想いを知る。
『70年分の夏を君に捧ぐ』
著者:櫻井千姫
出版社:スターツ出版
発売日:2017年11月28日
あらすじ:2015年、夏。東京に住む高2の百合香は、真夜中に不思議な体験をする。0時ちょうどに見ず知らずの少女と謎の空間ですれ違ったのだ。そして目覚めるとそこは1945年百合香の心はなぜか終戦直前の広島に住む少女・千寿の身体に入り込んでいた。一方、千寿の魂も現代の日本に飛ばされ、70年後の世界に戸惑うばかり。以来毎晩入れ替わる2人に、やがて運命の「あの日」が訪れる。
想い☁️₊⁺
私は学生時代を沖縄で過ごしました。
そんな沖縄では地上戦が行われ沢山の尊い命が奪われていきました。
なので、、”戦争”について深く学んできたつもりです。
平和記念公園に赴いたり、戦争を体験した方からお話を聞いたりしました。
ですが、まだ心が成長していなかった私にとってその現実はとても重く、正直に言うと、学びたくないと思う自分と目を瞑っては行けないと思う自分がいました。
この本に出会ってから、学校での学びの一貫としてではなく、自分から”戦争”について考えたり資料に目を通したりすることができるようになりました。
ただ今でも”戦争”をテーマにした本を読んでいると、本当に胸が苦しくなります。
感想🩰𓂃꙳
両作品を通じて強く感じたのは、”戦争”という非情な状況の中でも、にんげんの心が持つ希望の力です。戦争が多くを奪ったとしても、そこに残るのは、愛や約束といった人間が本質的に持つ暖かさです🧸𖤐⡱
『あの花が咲く丘で君とまた出会えたら』では、過去と未来の間で揺れ動く人々の心情を通して、戦争の記憶がどれほど深くかつ人々を結びつけるかを描いています。
『70年分の夏を君に捧ぐ』も、戦争によって奪われた時間が描かれていますが、愛がそれを補完する力を持っていることを示しています。
もし明日、全てが奪われるとしたら、あなたは何を選びとるでしょうか?
戦争という冷酷な現実の中で、この問いに向き合わざるを得なかった登場人物の姿に目を背けることができませんでした。
両作品ともに、”戦争”の悲しみを描きながら、そこに生まれる人間の強さを見事に表現しており、今を生きる私たちにとって大切な教訓が詰まっていると感じました。
戦争の影に隠れた人間の本質を見つめ直す機会として、ぜひ手に取って見て欲しい作品です🐰 ∘°