見出し画像

私たちが、一般社団法人として新スタートする理由

生活共同体TSUMUGIは、2022年度春から、非営利型の一般社団法人として新たなスタートをきります。

2021年度は、総勢70名のメンバーと「自分にも地球にも善い暮らし」を探求するために、畑・田んぼ・堆肥づくり・パーマカルチャーデザイン・コミュニティハウスでの手仕事・生産現場への社会科見学・オンラインでの読書会や勉強会 etc....

それぞれが自分のペースでいろいろなことに取り組んできました。

これらの活動を、これまでは株式会社の1つのプロジェクトとして運営をしてきました。ですが、自分達の目指したいあり方 = 「会社がサービスを提供するのではなく、メンバーが主体となり、みんなで”共有資源(コモンズ)”を守り育むという体制」を作るために、根本的な構造から変えることに決めました。

「暮らしのライフライン」となるようなコミュニティにしていきたい

従来の株式会社の仕組みは、株主に決定権があり、株主のために利益を追求することが求められます。そして、サービスを提供することで利益を出し、運営側とお客様という区別がされ、一方通行のやり取りになりがちです。

一方で非営利型の一般社団法人の場合は、株主という存在はなく、意思決定権は参加する会員に平等に与えられます。利益を追求するだけの経済活動ではなく、意義のある活動を続けていくために経済活動を行います。また、参加する会員はサービスの受け手でもあると同時に、運営者でもあるため、分断する壁は無く、関わり方においてそれぞれの意思を尊重しやすいかたちになると考えています。

このような内容を踏まえて、これまで活動に参加してくれていたメンバーとも話し合い、未来の方向性を決めました。

共同体をはじめてから約一年半。

この活動を続けていくなかで、実現したい理想がより明確になってきました。これまでも、これからも、私たちが共同体を運営する上で大切にしたい4つのことがあります。

①「生活共同体」であり続ける
②「共給共足」を目指す
③ シェア・フェア・ケアのネットワークを育む
④ 多面的に学び実践する

長くなりますが、1つずつお話しさせていただければと思います。

①「生活共同体」であり続ける

生活共同体TSUMUGIが目指しているのは、自然と共生した循環型の暮らしに必要な「共有資源(コモンズ)」を守り、それらを育むための生産消費者のコミュニティになることです。

※私たちの考える「共有資源」は、生きるために必要な「食」を生み出す自然環境と、それを守っていく人々のことです。

誰もが幸せに暮らしたいと願うなか、現実には予期せぬ様々な問題が起こります。1人、または家庭内だけでは解決が難しいことも沢山あります。

病気、介護、子育て、お金の問題、自然災害 etc....

これらの解決策として、私たちが出した1つの答え。それが

自分たちの豊かな「食卓」を守り育む

という当たり前でシンプルな活動です。

「食卓」に並ぶものは全て自然が生み出してくれます。

それらは1人では創り出せないので、協力することが必要です。

分断されて目に見えなくなった「連帯」を紡ぎなおすために、自分たちで「食卓」を作るところからはじめてみる。その行動が未来にとって、とても重要なことだと思うのです。

生活共同体と名乗る理由は、人と人が繋がり、後述する「シェア・フェア・ケア」の関係で成り立つネットワークを目指しているからです。

従来のオンラインサロンや1対マスのコミュニティとも違う。

上下が無く、それぞれが自立し多様性に富んだコミュニティを目指しています。

② 「共給共足」を目指す

私たちがタネから育てお米

「自給自足」は自分自身で全てをまかなうということですが、「共給共足」とは、仲間同士、それぞれの暮らしに必要なものを共に生産し、出来たものを共有していくことです。

例えば100人で畑や田んぼ、山などを共同管理して、そこで生産できたものは100人で分けあっていく。その時々、好作不作はあるかもしれないけれど、リスクまで共有していきます。

なぜこのような活動をするかというと、自然環境は人を含む全ての生き物にとって、無くてはならない「資産」だからです。

その「資産」を健康な状態で守り、育み、「食」という形でいただくこと。使い終わったものをゴミではなく資源として循環させていくこと。

それらが私たち人の役割だと考えています。

また、「共給共足」を目指していくことで、消費者が普段経験することのない生産の現場に携わることができます。

生産の現場に携わることで、ただ物を購入する場合と違って、食べること、消費することに対しての価値観も変わっていくと考えています。

紅生姜を仕込む様子

消費で成り立つ生活ではなく、"生産消費者"という、誰もが生活の作り手となれる状況を目標にしています。

③ シェア・フェア・ケアのネットワークを育む

「共有資源」を守り育むためには、人と人との連帯が必要不可欠です。TSUMUGIでは自然環境だけでなく、私たち「人」の心地よい関係性も探求しています。

人には心があります。

心の栄養は、必ずしも物質的なものや、1人で満たせるものではありません。

誰かの優しさを受け取った時、自分から優しさを誰かに贈った時、一緒に笑い合い、支え合う時間を共有することで生まれると考えています。

その上で、大切にしていることは「犠牲」を生み出さないこと。

これは自分自身のことも含みます。

自分のできる範囲の心地よいペースで、無理をしないこと。

1人で抱えずに心地よく人を頼り、我慢しないこと。

人の優しさを遠慮せず、感謝して受け取ること。

それぞれが自分自身を大切にすることではじめて、Well-beingの関係が生まれます。

TSUMUGIではシェア・フェア・ケアで成り立つコミュニティを目指しています。

④ 多面的に学び実践する

課題は時代によって変化します。

例えば、戦後は生きるために必要な食糧の確保が重要視されてきました。

きっと大量生産や賞味期限を伸ばす技術は、多くの人の命を救ってきたでしょう。ですが、今はその技術が自分たちや自然環境に刃を向けていることもしばしばあります。

単純に昔に戻るのではなく、今の発展した生活の方向性の向かう先をちょっと変えてみる。

深い審美眼をもって

想像力を働かせて

本質は忘れずに。

今、多面的に知識を学び実践していくことが求められていると思います。

正解ではなく、今より良いと思える選択肢を見つけること。

TSUMUGIでは、専門性の高い職についている人もメンバーとして活動しています。企業に所属している人、フリーランス、経営者。子育て世代や学生さんなど様々な視点を持った人が参加しています。

次の世代に何を伝えるか?

みんなで探求し、知恵として伝え、残していくこともミッションにしています。

これら4つを実現するためにも、生活共同体TSUMUGIを株式会社から切り離し、一般社団法人として新たに設立することにしました。

今後の共同体での具体的な活動はこちらのHPをご覧ください。

生活共同体TSUMUGI メンバー&サポーター募集

今年度も4月から新たに生活共同体TSUMUGIに参加してくださるメンバーを募集します。

また、募集にあたって説明会を開催します。

共同体についてもう少し詳しく知りたい!

どんな人が参加しているのか気になる。

興味はあるけど、迷っている。

などなど、そんな思いを持っている方々に向けて、一度お話しする時間を作れたらと思っています。

生活共同体TSUMUGI 説明会 日程
① 3月12日(土) 10:00〜
② 3月13日(日) 10:00〜
③ 3月15日(火) 20:00〜
④ 3月17日(水) 20:00〜
⑤ 3月19日(土) 20:00〜
⑥ 3月20日(日) 10:00〜

1人でも多くの方に共感いただき、一緒に活動してくれる方が増えてくれたら、とても嬉しいです!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?