養蜂家のお仕事と生はちみつの採取体験
収穫体験の前に、まずは事前の勉強会をオンラインで実施しました。その名も「養蜂入門」
事前に養蜂やはちみつについて知ってから収穫体験ができるのは、とても貴重な機会です。メンバーもみんな楽しみにしていました🐝
脱サラして養蜂家になったきっかけとは・・・
お話しくださったのは、Balanceという屋号ではちみつを販売している金子裕輝 さん。
2014年に脱サラして養蜂家になり、現在はその道7年。東京都荻窪・吉祥寺を中心に、活動の幅を広げています。
金子さんは、そもそもどうして養蜂家になったのでしょうか?きっかけは、なんとも意外なものでした。
そんな習慣がある中で、金子さんは1冊の本に出会います。
読み進めるうちに、アメリカやイギリスでは15年~20年前からミツバチが原因不明で減少していることを知った金子さんは、この事実に危機感を抱き仕事にすることを決意したといいます。
2011年に起きた東日本大震災も、金子さんを養蜂家の道へ後押しすることに。
一方でミツバチは花蜜や花粉を栄養分として生き、花もまた受粉してくれるミツバチがいるから生きられます。
その働きが循環した生体系に寄与しているのです。そのあり方に感銘を受けた金子さんは、犠牲を生まない食と暮らしの世界感に惹かれて養蜂家になりました。
養蜂家のお仕事とは
養蜂家のお仕事は、まず大前提として、健康的なミツバチを育てること。そして、はちみつを採取して販売する以外にも大事なお仕事があります。
それは、作物の受粉を促す「ポリネーター」として、ハチを農家さんに貸し出すこと。
ポリネーターとは、受粉をしてくれる存在のこと。
いちご、梨、りんご、ウリ系の作物は、実をつけるためには受粉が必要です。その受粉を手伝ってくれる役割として、ハチに働いてもらうのです。
この、ポリネーターとしてのハチのレンタルのお仕事は、実ははちみつの販売以上に需要があるのではないかと言われています。
人間も手作業で受粉をさせることができますが、ミツバチは花が発信する「成熟したい!」というシグナルを受け取ってベストなタイミングで受粉してくれるそうで、自然界の神秘を感じます。
働くのはメスだけ?ミツバチの生態系について
実は、働きバチは全てメス!
オスは基本的に働きバチからご飯をもらって何もしないで過ごします。
では、オスの役割は何かというと、女王バチと交尾をすること。
交尾を終えたら生殖器ごとちぎれて死ぬ or 失敗したら秋口に外に追い出されて餓死という悲劇的な運命が待っているそうです…。
はちみつについて
外勤ミツバチから内勤ミツバチに口移しで蜜が移されるときに酵素分解されて、はちみつができあがります。1匹のミツバチが生涯で採れるはちみつはたった約5グラム!
糖度80%以上のものが純正のはちみつです。採れたては水分を含んでいて糖度50%前後、水分を飛ばすためにハチは羽で仰いで濃度を上げますが、その方法では時間もコストもかかるため、人間の手で加熱処理をしてあげることで濃度を上げています。
生はちみつの見分け方は、冷えると固まるかどうか。ただし、花によって結晶化しやすいかどうかは変わってくるそうで、アカシアは結晶化しないそう。
健康に良いイメージのはちみつですが、ボツリヌス菌がいる可能性があり、これを消化・分解できない1才未満のお子様には食べさせないように注意が必要です。
採蜜のやり方
オンラインの勉強会を経て、実際にオフラインではちみつの採取を行いました!
まず、巣箱から巣枠を取り出します。1つの巣枠で約2〜3kg程度のはちみつが採れるようです。
ミツバチは、採取したはちみつを乾燥させて糖度80%以上の純正のはちみつになったところで、乾燥を防ぎ長期保存ができるように蜜蝋で蓋をしています。このため巣枠の表面には蜜蝋がついているのですが、これを丁寧に削いでいきます。
遠心分離機に入れて巣枠に詰まっているはちみつを取り出します。
最後に、蜜蝋などの異物が残っているので、これを濾過して完成です。
寒すぎると固まってしまって採蜜が出来ないため、加熱処理して採取しやすくしているものも多いそうです。しかし、そうすると酵素が変質してしまう可能性があります。このように、生はちみつは手間暇かかって出来ているため、高価になりますが、その効能はとても優れています。
コミュニティのみんなの分を瓶詰めして、この日の作業は終わりました!みんなにも食べてもらえるのが楽しみです!