田んぼの記録-種まき
今年度のTSUMUGIのお米作りが始動しました!
田んぼの指導や管理をお願いしているのは、昨年に引き続き、はぎや農園のはぎやんとみほやん。
一つ一つの作業が丁寧できれいなはぎやんと、いつも笑顔で頼もしさ満点のみほやん。今年も一緒にできることに感謝です!どうぞよろしくお願いします。
今回の作業は、苗箱への種まきです。ただの種まきと思うなかれ。TSUMUGIのお米作りは無農薬・無肥料で育てるため強い苗を作る必要があるのですが、実はこの種まきから強い苗作りが始まっています。最初から失敗するわけにはいかないよね!ということで、メンバーも真剣な目つきで作業に向かいました。
作業の流れ
苗箱に土を入れる
種をまく
水をまく
覆土する
1.苗箱に土を入れる
土は「これ1番」という土を使用しました。粒状になってて、水捌けが良く育苗しやすい(窒素肥料が含まれている)土です。
土は自分で作ることもできますが、土の中に入ってる有機物が原因でカビたりすることもあるので、失敗しにくい市販の土を使用します。
まず、土を多めに苗箱へ入れます。
次に、ならし板で苗箱に入ってる土の高さを2センチにします。(苗箱の高さは3cm。ならし板は10mmを使用。)このときに土を水平にすることがとっても大事!水平にすることで、発芽の状態を揃えることができます。
2.種をまく
種とは…つまり、お米です!種まきをする前に、種(種籾)を20日間ぐらい10度以下で塩水につけておきます。水につけた時に軽い種籾は浮いてくるので、それは除きます。最後の1日だけ25度にします。
なぜ前もって水につけておくのでしょう?
理由は苗を均等に発芽させたいから。水につけることで、種籾の表面についている発芽抑制物質が溶け、種籾が発芽します。芽が少し出ている状態で植えると、均等に育つことができます。
次に、種を測ります。一つの苗箱に対して、70g。通常だと120gですが、TSUMUGI米は肥料を足さずに植えるため、土中の限られた肥料の取り合いが起きることがないように、少なめの70gにしています。
次に、苗箱に種をまんべんなくまいていきます。これが想像以上に難しい…。はぎやんからのアドバイスは、まず苗箱のふちに沿ってまいていき、残った面はある程度の高さからまくこと。
ドサッと出てしまった場合は、土が動かないように、そっと指でつまみましょう。
3.水をまく
苗箱にたっぷりと水をまいていきます。ジョウロの最初と最後はジョボジョボと水が勢いよく出て、それがあたると土や種が動いてしまうので、注意します。
水の量の目安は8型のジョウロ1杯で5枚の苗箱分。水で種が浮いてくるので、こんなにかけて大丈夫?と心配になりますが、これでOK。
実は、水を頻繁にあげすぎてしまうと、水を欲しがる苗になってしまうため、次に水をあげるのは葉っぱが1.5枚出てから。我慢させる分、最初はたっぷりと水をあげます。
4.覆土する
水をまいたら、覆土用の土(肥料が入っていないもの)を苗箱にすりきりで被せます。
完成した苗箱を20箱ずつ重ねて、本日の作業は終了!!
発芽〜田植えまで
一番上の苗箱に水が蒸発しないように袋で被せて、全体をビニールシートで覆います。夜10度以上、昼25度以上の温度を保ち、5日ほどたつと芽が出てきます。
出芽したら、光が均等にあたるように苗箱を平置きにします。また、土の温度が25度以上にならないように、白いカバーをします。カバーには保温だけでなく、保湿の効果もあります。
その後、ハウス内で(夜間10度、日中20〜25度で管理)葉っぱが2〜2.5枚になるまで育てたら、水を張った田んぼに移します。
葉っぱが5.5枚(成苗)になったら、いよいよ田植えです!
ちなみに…
一般的には、種まきをしたら加温して(30〜35度)、発芽させ、葉っぱが2.5枚になるまでハウスで管理。その後、田植え機で田植えという流れになります。
一方、TSUMUGI米は有機農法で栽培するため、大きくて強い苗を作って、田植えをすることになります!
稲って両生類みたい
稲は畑でも育つし水田でも育つ不思議な植物です。田んぼに植えることによって、水中でも呼吸ができるようになります(陸の根っこから水の根っこに変化する)。
そして、苗は水の中では空気が足りないため、葉っぱからも空気を吸って根っこにまわすように進化するそうです。
面白いですよね!
いよいよ、次は田植えです。どろんこになりながら、みんなで一生懸命に植えてきます!
苗がどう育つのかも楽しみです。