大河ドラマ「光る君へ」第三十四回「目覚め」所感
興福寺がやっぱりちょっと分からん
これは、私が歴史に疎いからだとは思いますが、ドラマだけ見ていると「先生!質問!」と言いたくなるところもございました。先週の記事で言及した歴史解説系Youtuberさんの解説動画を見ても尚、でございます。
「明日陣の定めにかけて」と言って、道長はそれに応じました。なのに、その陣の定めの最中に突入。ええー?中止させてどうするよ。で、自分で陣の定めを中止させておいて、政治の人事に口出したうえ、蓮聖さんのことも申し文出す前から通ったような言い方。あんだけの労力かけて……。
男女の気持ちは分かってない道長
そう思いました。焦って政治的に皇子が欲しいのは分かります。でもねー、みっちゃんよ。誰もが「愛し愛される仲」になるとは限らないのよ。娘が不憫もへったくれもないでしょうよ。自分は女性からモテまくっているからそんなこと言えるんでしょ。まひろだって、道長は「フラれたフラれた」っていうけれど、お互い思い合っているのは間違いないわけですから。
彰子中宮さまの地味な目覚め
今回の表題で、もちっとド派手に覚醒するのかと思っていましたが、もうここしかないのですよね。後は、まひろが「何のために」源氏物語を書くかを、また歴史改変する「私があの幼い日から道長と一緒に生きていたら」をやってみた=若紫だと。
若紫はもうどうでもいいです。はい。んなわけないんですから。大体、道長は皇族じゃないのよ。あとね、紫の上は「紫のゆかりの人」なのよ。まひろさん、あなたの後ろに透かして見られたのは誰だろうね?それであなたいいの?
で、中宮様です。これまで自分がみたことのないペルソナの道長パパを見てお目々まんまる。本当にクリっと可愛い目をなさった女優さんですね。左大臣でも、父でもない、一人の男子として仲間とわちゃわちゃする道長。おそらく他の男性も、あんなに屈託なく彰子中宮さまの前で笑ったり冗談を言い合ったり楽しんだりしなかったのでしょう。まるで、自分が可愛がってきた敦康親王のような一面が、他の男にもある……帝にも、ある。
定子皇后さまは、小さい頃から一条帝を見てきて、可愛らしさも十分知っていた。でも、彰子中宮は、一条帝のそんな一面があるなんて想像していなかった。夫どころか、周りの大人の男性にも、みんなちょっとはそんな面があるなんて。
いわゆる「少年の心」を覗かせたギャップ萌えでしょうか。この、大人男性の少年の心が可愛いっていうのはちょっと分かりますが。それに気づいた彰子中宮さまは、ここからどうやって覚醒するのでしょうか。楽しみです。次回予告では、結構大き声で告白してましたしね。
「流行りの」物語
前回の一条帝の希望で、みんなに読まれるようになった物語。帝に「なぜ書いた」と問われて素直に「左大臣様に言われて」と。これも、弊害だよなぁ。歴史通りにしておいて「夫を喪った悲しみを紛らわせようと書き始めたのです」って言えれば、かなり帝の心を打ったのに!
何はともあれ、流行したまひろの物語。まだ序盤ですが。こうなれば強いなと思います。長編として展開してく余地が出てきた。打ち切りの可能性は減ったわけです。
中の関白家
伊周嫡男の道雅くん、あの踊りをビシバシ(というか八つ当たり)されていたお子ですね。父親にはちょっと反抗的。定子さまの子敦康親王さまも道長をしたうようにうまいこと可愛がってきましたから、こっちの甥っ子の子も伊周とはいまいち通じ合っていない。まぁ「クリーン道長」とか言われていますが、あれだけ人の上にポンと立ってやっていける道長って、やっぱりそれなりに徳は(或いは人たらしな面は)あったのかと思いますが。
ところで伊周、まだ呪いの儀式しているの?もうそれじゃダメだと思って、色々盗み聞きしたり、刺客を放ったりしたわけ?
曲水の宴
これ、京都でみたことあります!そこでは「酒が自分の前を通り過ぎる前に一首詠まないと、酒を飲まされる」というアルハライベントでした(笑)。画が美しいですわ〜。倫子さまもいて欲しかった〜。お大事に〜。
後宮は
宮中の場合、男子禁制ではなくまた宦官もいないのは、日本の大きな特徴だな、とふと思いました。徳川の大奥との違い。御簾なんてあっさりめくられるし、あまりそのあたり厳しくないのよね。夜中に女房が平気で逢引きに出かけたりする。源氏物語は、ある意味そのゆるさを突いてとんでもない事件を起こすわけですが、史実よりあけっぴろげのこのドラマで、皇族使ってあんまり変なことしないで欲しいな。
その他
・敦康親王様役の子役さん、可愛かったな。なぜこのタイミングで交代?
・女房たちの噂になったまひろと道長。思えないかもしれませんが、足を揉む仲です。不本意ながら。
・みんなが局に来すぎ。まひろ、いっそそこで一条帝と中宮様会わせたら?
・F4揃って何かしよう→雨だね。
・俊賢兄ちゃん!道長の前で高明パパンの話していいんかいっ!
・ちょっと前に内裏焼けましたよね?家事が多すぎるわ。
・弟くん、昇進おめでとう。ビバツテコネ。
・道長パパ、娘の好きな色は青でだって先週聞いたよね?どうして空色の衣を献上してあげないのかな。いつまで桃色の衣ばっかり着せるのよ。
・イケメンたちが朗読する源氏物語。教科書的現代語訳。古文のままか、もう少し現代語に近い感じの方がいい気がする。お堅いわ〜。
・清涼殿の御簾を女房たちがゆっくり下ろすシーンが結構好きでした。
今日もお付き合いいただき、ありがとうございました。