大河ドラマ「光る君へ」第三十五話「中宮の涙」所感
いや、まず言わせて。
中宮さま!いきなり泣き怒りでいうことじゃないのよ!「お慕いしております」は!
ドラマの彰子のキャラ、今でいう高機能自閉の傾向が結構あからさまで、しかもちょっと現代の診断がおりている人たちへの理解がない感じ(作り手がね)がしてしまうのは私だけでしょうか。それに藤原彰子の伝えられている歴史と違いすぎて戸惑うポイントです。歴史に伝わる藤原彰子は、控え目で真面目ではあるけれど空気読めて人の気持ちも分かって賢い人。この、いきなり爆弾落とすイメージないわぁ。どこのDNA?昔の左大臣さま(倫子ママ方のおじいちゃん)か?いや、藤原の家に伝わる劣勢遺伝子?(他に出現は道綱とかまひろとか)後者だとすれば、もうちょっと大人になればどうにか……なってほしいけれどね。いやもう二十歳。お願い、もうちょっとしっかりして。
そもそも、この描き方結構皇室にも失礼なんです。彰子中宮の皇子がこの後天皇になるのですから。二人も。
この涙が表題になっているのですが、なんじゃこりゃ。というより、これがトリガーになる一条帝もなんじゃこりゃ。きっと天国で定子さまずっこけてますよ。それでええんかいっ!って。
ほんと、月九かなんか、平成のトレンディドラマかなってシーンでした。ある意味ナウイと言わせたいのかもしれない。なんせこの頃は、思いは和歌で伝える時代。面と向かって「好きだ」なんて平成になるまでほとんどみなさんおっさいませんから。
別名「ファイト一発」御嶽詣。伊周は不発。ああ兄弟愛。
見回っている大河解説Youtuberさんが何人か言ってますが、本当にそうでしたね。ここもまた昭和。でもこれは分かりやすくて良かったですよ。面白かった。
それにしても険しすぎない?あの山頂にあの時代寺が建っているっていうのがすごい。雨まで降っちゃって、道長雨男説ですよ。先週の曲水の宴も雨でしたし、昔の打球だって雨降ったやん。もう、伊周が何もしなくても危ない道のり。史実でもやったみたいですけれど、体が弱かったはずの道長にしてみれば、まさに命懸けだったはず。まぁ、このドラマの道長は、若い頃から市井を歩き回って丈夫い設定だから、食欲なくともイケるようです(笑)。
伊周の道長暗殺計画を阻止した隆家。これも間一髪でしたね。今回のこれで、隆家が常々道長に言っていたことは、ある程度本音だったことがわかった気がします。策略とかじゃないみたいよ、行成くん。
「隆家が放った矢で全てが狂った」と伊周。いや、あなたが一番狂っちゃった感じしますが。それでも、一応「恨んではいない」と弟に言っちゃうところがちょっと可愛いのかもしれませんね。その恨みは全振りで道長に行くわけですが。
隆家が今回の件を阻止したのも、また兄への愛でしたね。ここで道長と嫡子が死んだところで、他に息子はゴロゴロいるわけですから。どうせ主犯はすぐバレるだろうし。そうなったら、一条天皇ショックで退位→敦康親王は伊周と血が繋がっているから東宮にはなれず三条天皇の息子を立太子、なんてことにもなりかねませんからね。
伊周、真面目に呪詛だけしていなさい(こら)。「道長の周りに不幸が」ってあの呪詛、結構効いていた感あったんですけどね。直に手を下す方向にいっちゃっても、そううまく行くもんじゃありませんからね。
源氏物語の解説する紫式部ダァ?
帝には「どう想像しようと自由です」って言ってあげないのね。この夕顔はめちゃはじめの方ですから、宮中入りする前に書いた部分のはずなんですよね。帝のために書いた、みたいになってますけれど。
というか「自分の身に起きたことを物語に投影させているだけの紫式部」って描き方、結構本物に失礼な気がします。今更ですが。彼女のクリエーションを否定してますよね。せめて、ちょっとした噂話から妄想炸裂した物語であってほしい。
そして、おそらくみんなが突っ込んだ「不義の子を産んだのか?」By道長。オメーの子だよ!と言いたくて藤壺の中宮と光の君の不義を描いたという設定ですか?本当に源氏物語読んだ人の書くドラマかね?
えっと、余談ですが脚本のお方、相当性の私生活が奔放な方のようで。どうして堂々と大河の脚本やっているのか、できているのか、社会が許しているのか知りませんが。中丸くんはダメで、この人やまひろはいいのね。んじゃ、ベッキーとかなんでキャスティングしてないの?え?NHKさんよ。別に中丸くんが大好きとかではなく、彼にはちゃんと謹慎してくださいと思うのですが、大河ドラマですからね。アイドルがやったら国民から簡単にアンチくらう不倫騒動(騒動はしてないか)を主役がやっているドラマ見たいわけじゃない。見たければ民放深夜を見るよ。脚本のお方はもしかして、自分の奔放な性生活を正当化したかったのかもしれませんが、現代はルール違反だし、平安の頃も既婚の女性(妾でも)が他の男性と、というのはルール違反スキャンダルですから。バレなきゃいいか、物語にしちゃえばいいか、じゃない。っていうか、もし本当に賢子が道長との不義の子なら、物語には書けないでしょう。それに、もしこれをまひろの不義と重ねたのだとしたら、道長とのことも賢子産んだことも後悔してるって言っちゃってますよね。道長はともかく、賢子可哀想。
何度も言いますが、大河ドラマとしていかがなものかです。と言いますか、話ずれますけれど、いろんな(不倫とか薬物とか交通事故とか)スキャンダルで「時間が経ったら許される人」と、同じようなことでも「何年経っても許されない人」がいるのはなんで?で、だいたい「お前は(もう出てこなくて)いいよ」っていう人が前者なんですよね。いや、閑話休題。
もう一つ、道長が原稿持って行ってしまいましたけれど、前の話手元になくて、よく続き書けるよな。私なんて、noteの記事さえ時々遡って読み返してから書く時あるのに。
あかね(いつ和泉式部になるんじゃい)
いますね、男の寿命吸い取っちゃうような女。まぁ、この時代、皆様なかなか長生きできていませんが、にしても二十代で二人は……。あかねさまのせいじゃないですが、落ち込むし自責の念にかられるよね、あかねさん。まひろさん「書き残して己の悲しみを救う」を、もっとちゃんと「道綱母から聞いたの」と言ってあげて。自分の思いつき八割くらいの勢いで言ったよ。主人公補正で「枕草子」だけでなく「和泉式部日記」もまひろのおかげでできたと。はいはい。
その他
・小少将の君がまひろも物語も好きすぎる。かわゆい。
・「無分別の極み」そうだそうだ。そしてそれは誘拐という犯罪だ。
・ある意味行動力の中宮さま。まひろに言われたことを即実行して想いを告げる。
・「私のようだ」と言った中宮さまの頼みだったのに、なぜ紫の上を最後幸せにしてあげなかったのよ。
・道長パパ、帝に「今宵藤壺」言われてびっくらこきすぎ。
・道長とまひろは月を見るけれど、帝は雪を見る。
・「ずっと大人でございました」いや、中宮さま、あのね、違うの。そういうことじゃなくて……。まぁ、いっか。
・帝の「そうか」が『虎に翼』のトラちゃん旦那「なるほど」に聞こえてきた。
・次回予告。少納言!お久し!いやー早よ読ませてあげて!
今日もお付き合いいただき、ありがとうございました。