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大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」第六話「鱗剥がれた『節用集』」所感
今週はちょっとお疲れモードです。大河の感想だけになってしまいました。また、短いです。
イケ過ぎたるは猶及ばざるダサしが如し
「キンキン」が、結局「流行り」ということでしょうか。このコメディチックなところが、江戸っぽい。
今でもそうだと思いますが、本当に粋なのは流行りに振り回されない人だったりしますよね。「あの人がやり始めたから流行った」の「あの人」は粋なんだけれど、それに追随する人はたいてい、凡庸かやり過ぎてダサくなるか。個性って難しい。はたから見ると、かなり面白いんでしょうね、そういう必死で追随してヘマしているのが。
おばちゃんになってくると「へぇ〜そうなんだ〜」とか言いながら流行りを斜に見て、都合のいいものだけ取り入れてみるようになるので、ある意味楽ですよね。「若い人の流行りにはついていけないわぁ」って言っときゃいいもの。私は昔から、流行りを追っかけるのが苦手で常に遅れな人間でしたから、流行りに乗っかっていかないと生きていけない平成や江戸にはそぐわない感じでした。
目的が複雑になってきた
前回「欲が出た」と言われた蔦重。ただ「吉原の再興」だけではなく「自分も本屋になる」とか、「売れる地本を作る」とか色々目的が複雑化してきました。今回は「面白い青本を作る」でした。これ、最終的に頓挫したってこと?ちなみに、表紙が黄緑っぽいのがいいですね。昔、青信号のライトは緑でしたもの。
青本って、つまり「大人も読める(アダルトな意味じゃなくて)漫画やラノベ」ってことでしょうか。今は逆ですよね。ちゃんとした本を読めない大人がそっちに流れて、型のあるのを安心して読んでいる気がします。
今回はミステリーアニメ回?
史実を調べれば分かることでしたが、鱗形屋の内部にいた蔦重がその家の不正を突き止めるものの……てなものです。鬼平こと長谷川さまも久々のご登場で嬉しかったですが、蔦重が犯人を明かさないコナン君みたいでした。ただ、他の人が明かす分には止めませんと。
それも、結局これまで蔦重が知らなかった西村屋と鱗形屋の裏工作を知ってしまったから。自分を貶めたとはいえ、世話になった鱗形屋を告げ口するかどうか。
ただ、天の目で見ている視聴者としては「なんだかんだで蔦重にも悪いことをしていたから、偽版もバレた」ような気もして、NHKっぽいかもですね。去年の「結局何も罰を受けない誰かさん」のモヤモヤ感は少ないです。
蔦重本人は、若干のモヤモヤが残ったようですが、結局「うまくやった」現状をちゃんと活かしていくように振り切った感じ。長谷川さま、ただのボンボンだった当初の登場よりなんだかかっこよくなっていませんか?いや、最後「俺いいこと言った!」のドヤ感は面白かったですが。またの登場を。
田沼云々が!
だんだん外堀を埋められてきてしまった田沼意次です。こうやって、権力を得たものが市民のための政治をしようとしたら、他の権力者に叩かれて朽ちていくのが世の常です。
あの家系図の件も、ボッチャンが正解ですよね。改竄しても元は佐野家に残っているでしょうし、末端の家臣だったなんてかえってやな感じ。
その他
・「田沼びいき」だった御台所様、なんで死んだ?これはもしかして!
・将軍、息子の言いなりすぎじゃない?そうなるとママンも楽よね。
・高家吉良様、演ったことあったのではなかったっけ?右近将監さま?
・ドヤ感あったものの、「せいぜいありがたく頂いとけ。それが粟餅を落としたものへの花向けってもん」はちょっと名言だな。
・濡れ手に粟餅、私も頂いちゃいたい。
・『節用集』は辞典ですか?
今日もお付き合いいただき、ありがとうございました。