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後宮ドラマが好きという話

 タイトルでお分かりかと思いますが、各種ドラマのネタバレを含みます。あと、各ドラマに関する話も、個人の所感です。ご了承ください。

主に海外ドラマ

 日本で「後宮ドラマ」というのかどうかわかりませんが、「大奥もの」というのが一番近いかと思われます。昔は徳川大奥ものも観ましたが、最近はNHK版の男女逆転大奥のみです。
 では、私の主な「後宮ドラマ」視聴歴は……(今ざっと記憶にある限り)
※全話日本語字幕または吹き替えにて視聴済みのもののみ
※2中国語のドラマは、中国で作られたドラマだったり台湾で作られたドラマだったり、香港の女優さんが出ていたり、その辺りよく分からないので「華流」としています。
・日中合作「蒼穹の昴」
・韓国「宮廷女官 チャングムの誓い」(以後「チャングム」)
・韓国「トンイ」
・韓国「イ・サン」(主人公は王なので後宮かどうかは微妙)
・華流「宮廷の諍い女」
・華流「瓔珞〜紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃〜」(以後「エイラク」)
・トルコ「オスマン帝国外伝」
・韓国「王と私」(多分観たが、記憶が曖昧)
・韓国「太陽を抱く月」(ちょっとファンタジーだし、史実に根拠はない)
ぐらいでしょうか。韓国の時代劇は他にも「ファンジニ」などを観ていますが、後宮がメインの舞台となるものに限定したリストです。
 あとはタイムトラベルものの華流ドラマを観た気がしますが、ラブコメ要素が強すぎて、個人的にノーカンです。確か、九王奪嫡の話で、歴史好きの女子がタイムスリップ→始めは八皇子と恋仲に→歴史を知っているから四皇子(後の雍正帝)に鞍替え、的な話だったと思います。今のラノベに近いですよね。だからノーカン。
 また、最近の古代中国を舞台にしたドラマや、人が空を飛びますくらいぶっ飛んでファンタジーだと、今のところ見ていません。

何が面白いって

 なによりも人間ドラマであることなのですが、女性ならではの階級社会であること、歴史的には記述の少ない女性の人生を大胆にアレンジしながらも「そうだったかも」と思わせてくれること。それぞれの王朝の独特の習慣が絡み、主人公や権力者の思うままにならない後宮や政治を描いていること。
 ドラマならではだなと思うのは、物語の始まりでは主人公やヒロインが必ずしも後宮でのぼり詰めることを望んでいないことが多いということです。
 そして、衣装や装飾品の華やかさがすごいです。必ずしも当時の衣装を忠実に再現したわけではないらしいのですが、それはそれは素敵。
 また、現実にあった李王朝や清王朝の別の王の時代を描いていたりしますが、時々ちょっと被っていたり、同じ人が出てきたりするのが楽しいです。創作なので設定に無理があるところもたまにありますが、物理的には一見あまり無理のない感じです。(「太陽を抱く月」は例外)
 あと、ひたすら長いんです。どれも一代記的に一人の人生を追う感じなのですが、ものによっては大河の倍くらい平気である。日本のドラマって、今は大河ドラマが一つのドラマとして一番長いんじゃないかと思うのですが、昔はもっとシーズンを重ねたのありましたよね、「ナースのお仕事」みたいに。

今狙っているのは

 Youtubeなどで動画を部分的に見ることはあっても全部をしっかり観ていないので、通してしっかり日本語字幕で観たいと思っているのは「如懿伝〜紫禁城に散る宿命の王妃〜」(以後「如意伝」)です。一応「宮廷の諍い女」と同じ方の原作で、続編と言われているのですが、あまりちゃんと続編ではない感じです。
 この「宮廷の諍い女」が清王朝5代雍正帝の時代で、「エイラク」と「如意伝」は第6代乾隆帝です。
 「宮廷の諍い女」の主人公は乾隆帝の母とされる女性で、「如意伝」は乾隆帝の継皇后(二番目の皇后)、「エイラク」は乾隆帝の次の皇帝の母です。清王朝の最盛期を作ったとされる乾隆帝とその母は、長生きだったのもあり、三つのドラマに結構しっかり目に登場します。史実では、この母子は実の親子ということになっていますが、三つのドラマでは「実は実子ではなかった」ということになっていたりします。
 なにより面白いのは、「エイラク」と「如意伝」が、ぼぼ同じメンバーで展開されるのに、内容が全く違い、登場人物によっては性格がまるで違う……らしい。
 BSとかで集中放送してくれないかしら。今、Youtubeでつぎはぎに観ながら、ネタバレで詳細にあらすじ紹介してくれているブログを読み漁っています。

変化球

 視聴済みリストを見ていただくと、変化球なのが「オスマン帝国外伝」です。中国語や韓国語で日本語字幕は、最初からちょっとだけ分かる単語があったり、日本と文化も近いものがあったりするのですが、トルコの王宮は未知の世界。ただ、これも面白かった。オスマン帝国の最盛期を築いたとされる「スレイマン1世」の時代を描いています。
 これまた超長編なのですが、これはスレイマンの寵姫で後に皇后にまでなった「ヒュッレム」が後宮に入るところから、スレイマン一世の死までを4つのシーズンに分けています。華流ドラマは八十話一気!なんていうのもあるので、ちょっと欧米の構成に近いかもしれません。
 宗教や文化も東アジアとはかけ離れていますし、王位継承に関する制度や後宮の女性や宰相でさえ「奴隷」という身分であったりと、なかなか過激な制度もあります。キラキラシャラシャラで、時々際どい衣装も綺麗です。
 実はこれには「キョセム」という続編があって、スレイマン1世の孫?かその辺の皇帝の時代から始まるのですが、シーズンは2つだけ。史実として主人公「キョセム」という、トルコの西太后みたいな女性が死ぬのが比較的早い(暗殺されるので)ということで、おまけ感が強いです。あと、皇帝がコロコロ変わります。シーズン1は視聴済みで、この2月からBSのどこかの局の4Kでシーズン2がやっているらしいのです。 ですが、正直ヒュッレムの「オスマン帝国外伝」が面白すぎたのと、やはり皇帝がコロコロ変わるところが妙に引っかかって、シーズン1をあまり楽しめなかったというのが本音で、個人的にもう「キョセム」はいいかな、というのもあります。
 何はともあれ、ヒュッレム版の「オスマン帝国外伝」は面白いです。このヒュッレムという人が、奴隷から解放されて皇后になったり、子どもを何人も産んだりと、オスマンの当時の後宮としては型破りな女性なので、またそのあたりが面白いのです。

このラインナップからの期待

 このラインナップを見ていただくと、私の好みがなんとなく分かっていただけるのではないかと思います。ただ、最近華流ドラマは政府の政策なのかよく分かりませんが清朝のドラマをほぼ作らなくなっているらしく、また韓流ドラマはネタ切れか実在しない王や王朝を設定することも多く見かけるようになり、今ちょっと私の好みの設定とは違ってきているのかな、と思っています。
 そこへもって、今年の大河ドラマですよ。これまで大河といえば「戦国」「幕末」たまに「鎌倉」「室町」、来年には「江戸中期」(でしょうか)というイレギュラーがありますが、今回の「光る君へ」のように平安王朝文化を描いてくれるものなどなかった!後宮ドラマ好きとしては期待が高まります。すでに4分の1が終わろうとしていますが、早く後宮にあがってくれないかな、まひろさん。今のところ内裏に行ったことあるの、一度だけですもんね。
 それでも、政治と女性と後宮が絡んで(詮子女御さま、いいお仕事なさってる〜)のドロドロ劇は始まりつつあるので、期待がますます高まるわけでございます。
 それぞれのドラマについて、また好き勝手語ることもあるかと思います。またその時はよろしくお願いしまする。

今日も長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。

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