大河ドラマ「光る君へ」第四十話「君を置きて」所感
朗読会
平安時代、このように大っぴらに本を読むのなら、源氏物語は結構ハードな感じです。元服した敦康親王さま。前回は元服前の姿に「おぅ……」と思いましたが、元服後のお姿は流石に少し幼さが残ります。本当にあった部屋の名前が飛び交って、藤壺の中で「藤壺の中宮は、云々」なんて言ったらそこにいる中宮さま変な感じにならない?
そして、またまたみんなが突っ込んだ道長「不実は自分に返ってくる」発言。もうまひろとの夜は忘れたとでも言わんばかりです。まぁまひろの方も、物語に書いちゃうくらいですから、頭では罪だと知りながら本当は罪だなんて思っていない一番タチの悪いやつですもんね。本当に罪だと思っているなら、書けません。まして、本来の主説と違うこのドラマの設定では。
そして…
本題の前に、ベッドシーンが多すぎてせっかくの大河が「学生さんには勧められない」大河になっているのです。残念。
前週から、どうやら循環器系の御病な一条帝。円融パパも、毒盛られた以前に病弱だったのではなく?だから、長寿家系の倫子ママの娘、彰子中宮さまの皇子を選ぶのは政治的なこと以外にも正解。道長、帝に聞こえるところで赤染姐さんの旦那さんと占いしないで。その前にその部屋で気筒でしょうが。
譲位の話を持ち出すと、ブチ切れる実資。でもね、確かにリスクヘッジというか、いざという時のために準備はいるのでは?
道長は四納言を呼び出して、敦成親王プッシュの根回し。ここまでくると、道長が友達使っていじめにかかっている昔の金八ドラマみたいです。キャラ変というか、キャラ崩れがすごい。クリーンで、いい人なんじゃないのか?行成は根回し免除されたはずですが、結局一条帝を説得したのは彼でした。一条帝、行成に自分の意見を聞き入れてもらいたかったのに逆に説得されるパターンです。敦康親王自身が後見の弱い天皇になる云々の感じでしたが、彼がもし天皇になるとしたら、その頃までに隆家に力を持たせればいいだけではと思う今日この頃です。ドラマの隆家ならそれで解決のはずですが。キャラとして伊周と逆だった気もしますね。もう少し本物は信用なかったんでしょう。何はともあれ、行成は説得に成功します。一条帝の最後の希望が絶たれた瞬間でした。ただ、さっきの意見と矛盾しますが、確かに帝という地位が必ず幸せかと言われれば、う〜んというところでしょうね。『宮廷の諍い女』も、そんな感じの結論が出されて乾隆帝ですもんね。
一条帝も、彰子中宮さまから説得してもらうって手もあったかもしれませんが。
全てが決まるまで内緒にしていた道長パパに中宮さま激怒の史実をドラマでやって、ちゃんとそこまでのキャラを作ってきたつもりかもしれませんが、史実は最初っからこれくらいちゃんとした人のはずです。だいたい、道長とまひろをずっとくっつけたままにしておくから、藤式部はイマイチ中宮彰子さま(愛する人と本妻の子だもんね)に熱心になってないし、う〜ん。
史実には沿わないといけないのに、そこを考えないキャラづくりをしているから、こうなるのよ。俳優さんは素晴らしいのに、大変だわ。
あっさり譲位して、あっさり亡くなる帝。「露の…」の和歌は、彰子さまにという解釈ですね。定子さま宛という論もありますが、今回は彰子さま解釈です。まぁ、道長たち見ていたしね。最後の嫌味を言うような人には見えません。
一条朝の終わりでした。何はともかく帝が美しかった!ここまでに三人の帝が登場し、どなたも見目麗しかったですが、一条帝さまは飛び抜けて。定子さまのことさえなければ、稀代の名君と言われていてもおかしくない賢帝だったそうです。お嘆きもお怒りも憂いも、全て美しかった!稀代の美帝だったのは間違いありません。
その他
・何にも言わなかった長女彰子にも困ったけれど、明け透けになんでも言っちゃう次女にも開いた口が塞がらない道長パパ。
・「敦明さまが良かったのに」という妍子ちゃん。でもね、居貞親王で正解よ。
・双寿丸ごめん、でももう庶民オリキャラいらん気がする。ほんま「誰よ」。
・次回予告がてんこ盛りすぎる気がする。
いつもに比べて短いですが、今週はこれくらいで。お付き合いいただきありがとうございました。