つい先日、知り合いの方の訃報を耳にした。 死因が肝臓に関わるものだったということで、同じく昔に肝硬変で突如亡くなった会社の後輩を思い出した。 もうかれこれ8年近く前かな、 そいつはまだ32くらいだったかな 聞くところによると、彼は俺とは対照的な半グレの人生を歩んで来てたのに何故だか妙に俺を慕ってくれてて。 唯一会社を出てからも遊んだり、ハープでステージにあげたり、(演奏はめちゃくちゃだったが。w)まぁ、とにかく楽しかった。 そして、酒は本当に好きだったね。飲み屋とかキャ
トラウマを解消する為のセッションを受けてきたんだが 人前では泣かないはずの俺(自分調べ)がボロ雑巾のように泣きまくってしまった。 でも、その涙は42歳の俺ではなく幼少期の自分だった たぶん8,9歳ぐらい。親が離婚して訳もわからず引っ越し先と連れてこられた冬のアパート、何もない部屋でゴーゴーうなるヒーターがホコリを焼く匂いだけは今でもずっと覚えている でもそれ以外の記憶はあまり無い。小学校低学年〜高学年迄の記憶が本当に無い。なんでなのだろう?… ずっと不思議に思ってたが
屋上を隅から隅まで所狭しとウォーキングするジャージ姿のおじちゃんが握り締めるラジオから首都高の渋滞情報が聴こえてくる。最新式のクリアな音質ではなく、少しノイズが混ざるポケットラジオは今日もまた池尻大橋を先頭に用賀まで断続的に渋滞していると教えてくれる。 商業用バンの社用車は今どきナビもなく、FMラジオも壊れていてAMしか聴けなかった。BluetoothはもちろんCDデッキなんて気の利いたものはない。シートも硬くて遠出する度に尻が悲鳴をあげる。負荷を和らげるため様々な工夫を凝ら
「もしまた喀血するようなら動脈塞栓術をやりましょう!」 入院して七日目、ちょうど一週間が経った朝、結露による水滴が落ちる窓際で担当医から聞かされた言葉。だが、言葉というよりそれはむしろ宣告に近い、そんな印象を受ける口調だ。 次また喀血した場合には大腿動脈からカテーテルを挿入、そこに造影剤を注入、内部の状態を撮影した後、必要ならば金属コイル等の塞栓物質を用いて肺付近にある損傷した血管を塞栓する治療を施すらしい。 専門知識がない自分には「なんだかわからないがとにかく異物を体に入
残業をして帰路に就く頃、タイミングを見計らうように雨が降り出した。 車道から自宅のマンションが見えて来た頃、突然みぞおち辺りがムズムズ痒くなり何度か連続して小さく咳き込んだ。 ごく普通の、よくある、『ちょっと咳き込んだ』ただそれだけのこと、コロナが流行っているから確かにどうしたって敏感にはなるがどうせすぐにおさまるだろうと気にも留めなかった。 家に一旦寄り着替えたら夕飯はいつもの回転寿司に食べに行く予定だった。車を路肩に停め自宅へと歩き出したが咳はまだ続く、むしろ次第に